日本が考える友好の意味 長尾敬前衆議院議員インタビュー(4)

2022/04/01
更新: 2022/07/02

長尾敬前衆議院議員インタビュー(3)から

ーー中国共産党が統治する中国と今後はどのように付き合うべきとお考えか。

日本人は友好という言葉の意味を取り違えていると思う。友好を前面に出しながら、結果的には自分の取り分が多くなるように物事を進めるのが外交であり、ビジネスである。

いっぽう、日本人には損して得取れのような部分があるのではないかと思う。どのような手段を使ってもまずは利を得なければならない、という価値観は中国のみならず多くの国が持っているのではないかと推測する。

これは善悪の問題ではないと思う。日本人から見ればそのような考えは悪だろうけど、それぞれの国にはそれぞれの価値観がある。日本のような価値観はそもそも稀なのだから、中国と交渉事をするときにはよく考えなければならない。

中国人と永遠に接点を持たないことは無理だ。中国は日本のすぐ側にあり、引っ越しもできない。断交せよ、のような勇ましいことを言ってみたいとも思うが、接触しないわけにもいかない。海が守ってくれるという考えがあるからか、日本人の甘い、人が良すぎる部分が国益を損ねている気がする。

ーー中国本土では信仰を持つ者などが弾圧を受けている。この現状について日本はなにができるとお考えか。

人権問題担当補佐官が設けられているが、人権侵害を受けている人々と会っていないと聞いたことがある。また、チベットやウイグル、南モンゴルそして香港の人々の困り事を外務省の建物のなかで聞くことが一度もない。議員会館にある議員の事務所に外務省の担当者が来て話をすることはあっても、外務省の建物内で話を聞いたことは一度もない。そして人権侵害を事実認定していない。

ますはレベルの低いところからできるようになれば、だんだんと変っていくと思う。いつも出だしの部分でつまづいている。今日では多くの情報が公開されているため、最初の出だしの部分を突破すれば一気に進展するという期待感を持っている。

(おわり)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。