南太平洋の島国ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相は1日、中国と結んだ安全保障協定に同国での中国軍の港建設は含まれていないと明言した。両国の閣僚は3月18日、協定の草案に署名した。
同首相は声明で、「政府は、軍事基地を受け入れることが安全保障に与える影響を認識しており、そのような構想が政府の監視下で行われることを許さないだろう」と述べている。
ソガバレ首相は29日の議会で、「中国にソロモン諸島での軍事基地建設を求めることはない」とした上で、「地政学的な権力闘争に巻き込まれるつもりもない」と述べた。豪州との安保協定を保持し続ける考えを示した。
安全保障協定の詳細は発表されていない。中国政府メディアは、両国政府は3月18日に草案に署名したと報道した。3月末、草案の詳細がネット上に流出し懸念が広がった。中国艦艇の寄港や物資補給を認め、ソロモン諸島が災害や政情不安に見舞われた際には、中国に軍事要員の支援を求めることができるなどの内容が含まれている。
草案をめぐって、南太平洋での中国の影響力拡大を懸念する近隣の豪州やニュージーランドは反発を強めている。
ソガバレ首相は29日、「豪州とニュージーランドは依然として重要なパートナーだ」と述べた。
ソロモン諸島は長年、隣国のオーストラリアとニュージーランドを主な安全保障上のパートナーとしてきた。しかし、2019年に36年間続いた台湾との国交を断絶し、中国と外交関係を確立した。それ以来、北京との関係が急接近している。
(翻訳編集・李凌)
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