米当局、中国工作員を起訴 米警察官も協力か

2022/04/01
更新: 2022/04/01

ニューヨーク州検察当局は3月30日、米国で中国共産党のエージェント(秘密工作員)として被害者を脅迫・強要し、中国政府の国境を超えた弾圧計画を推進したとして、中国国籍のソン・ハイイン(Sun Haiying、53)被告を起訴したと発表した。

ニューヨーク州南地区連邦地方裁判所で公開された訴状によると、ソン被告は2017年から22年にかけて、米国で中国政府の「キツネ狩り作戦」と「天網プロジェクト(スカイネット)」に関与していたという。

同被告は私立探偵を雇い、12人のいわゆる「逃亡者」の自宅住所、運転免許証の写真、電話番号、銀行口座残高、米国での居住状況などの個人情報を収集した。そのうちの少なくとも10人は、中国の捜査当局から指名手配されていた。

また、被告はアメリカ人警察官の協力を得て、被害者の一人と面会した。被告は、被害者が和解条件を受け入れなければ、中国政府が報復措置を取ると脅したという。

ある事例では、被告が探していた「逃亡者」の妊娠中の娘が、中国政府によって「本人の意思に反して」8カ月間、中国に拘束された。

娘は、母親を中国に帰国させることができなければ、中国から出国できないと脅迫を受けたという。

中国共産党の代理人として働いていたソン被告は、法律で定められている米国司法長官への登録を行わなかった。同被告は、最高で懲役10年の違法な「外国代理人」、および最高で懲役5年の「共謀」の罪に問われている。両罪で有罪になれば、最高で15年の禁固刑に処される。

中国に逃亡した同被告は現在、指名手配されているという。

マンハッタン連邦検事のDamian Williams氏は声明の中で、「中国政府は、反体制派を弾圧し、米国に合法的に居住する市民を含むいわゆる『逃亡者』を、無認可で一方的な違法行為によって強制送還しようとする陰謀を世界的に展開している」と指摘した。

米当局は中国政府の諜報活動への取り締まりを強化している。米司法省は3月16日、中国政府の「越境弾圧計画」に関与したとして、秘密工作員5人を起訴した。

(翻訳編集・王君宜)