当局の行きすぎた防疫政策を批判した山東省煙台市の大学院生は大学から除籍処分を受けた。
同市にある魯東大学修士課程に在籍する孫健さんは先月27日、キャンパスの閉鎖と全員を対象とするPCR検査に反対する看板を掲げ、キャンパス内を練り歩いた。
孫さんはまもなく駆けつけてきた教師らに取り抑えられ、公安当局に連行された。大学側は「国と政府、大学の防疫対策を批判する不当な言論」を理由に、孫さんに除籍処分を下した。各種SNSアカウントも封鎖され、地元警察が彼の動きを監視しているという。
孫さんは4日、大紀元記者のインタビューを受け、「看板を掲げることは『言論の自由』の範疇だ」と主張した。
同大学は2020年秋から、感染状況に関係なく封鎖措置を取り続けているという。
「学生の外出は禁止されているが、教員とその家族、留学生は自由に出入りしている」と学校の不公平な扱いを批判した。
「ネットショッピングやデリバリーの禁止、高額なPCR検査など、現地の感染状況に関係なく行われる厳しい封鎖措置に学生たちは苦しんでいる」
各地の大学生も孫さんと同じ不満を持っている。SNS上には、大学生による「封鎖解除を求める」という書き込みが後を絶たない。
山東省の濰坊学院歷史学科の元教授である劉因全氏は大紀元記者のインタビューで、「孫さんが抗議の看板を掲げるのは言論の自由の範疇だが、中国では党に異議を唱えることになる」と話した。
中国当局の極端な防疫政策について、劉氏は「すでに行き詰っている」と指摘した。
「国民のことなど考えずに無理やり押し通している。最終的には全国民の反抗を招くだけだ」とした。
(翻訳編集・李凌)
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