中国通販サイトで目立つ「Z」印商品 ロシア支持?

2022/04/09
更新: 2022/04/09

淘宝」や「拼多多」など複数の中国オンライン通販サイトでこのほど、ロシア軍を象徴する「Z」印を取り入れたデザインの洋服やステッカーなどを販売していることがわかった。

「淘宝」では、あるネットショップは過去1カ月、「ロシア戦闘民族の戦車と同じデザインのZ文字車用反射ステッカー」を400枚超販売した。同ショップのコメント欄に、複数の購入者はロシア軍が突撃時の喚声である「ウラー」を書き込んだ。

「拼多多」は複数のネットショップで「Z」印をプリントした半袖のTシャツを販売している。コメント欄に「ロシア支持」や「これを着て海外に行ってみたい」などがあった。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)は購入者の大半は若者であるとした。

在米中国人権活動家、向莉氏はRFAに対して、この現象は中国政府のプロパガンダ宣伝と関係があると語った。「中国政府はまだロシアのウクライナ侵攻を公に非難していない。習近平政権は世論を意図的にロシア支持の方向へ誘導していると考えられる」と同氏は述べた。

アルファベットの「Z」の文字はロシア語で「勝利する」という意味がある。ロシアが2月下旬にウクライナに侵攻以降、ロシアの軍用車などに「Z」印を使うようになった。

ロシア国内でも、ウクライナ侵攻を支持する市民らが「Z」印をプリントした洋服を着用しパレードを行った。3月初め、体操の種目別ワールドカップに出場したロシアのイワン・クリアク男子選手(20)がユニフォームに「Z」印をつけたことで、物議を醸した。

在米中国人学者の李培氏は、中国やセルビアを含む親ロシアの国で「Z」印を崇拝する人が多くおり、「『Z』印はロシアの民族主義を象徴することから、中国政府の宣伝する民族主義と共通する部分がある」と述べた。

中国政府は現在も、ウクライナを支持する言論への統制を強めており、官製メディアはロシア政府の主張などを引用し報道を行っている。今月初め、ウクライナ政府がキーウ(キエフ)近郊のブチャで数百人の民間人がロシア軍に殺害されたと発表したことに対して、共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報はウクライナと欧米諸国が「煽っている」と批判した。

国連総会は7日、人権理事会におけるロシアの理事国資格を停止させる決議案を93カ国の賛成で採択した。中国を含む24カ国は反対票を投じた。

李培氏によると、中国政府が反米・反西側諸国の路線の下で、近年ロシアを「西側諸国の支配と浸透に抵抗する英雄」とし、国内で大いに宣伝している。

(翻訳編集・張哲)