[ワシントン/東京/ベルリン 19日 ロイター] – バイデン米大統領、英国のジョンソン首相およびカナダのトルドー首相は19日、ロシア軍によるウクライナ東部への全面攻撃を受け、ウクライナへの兵器供給を拡大すると明言した。
バイデン大統領はこの日、ホワイトハウスのシチュエーションルームでジョンソン・トルドー両氏を含む同盟国首脳とビデオ会談を実施。その後、訪問したニューハンプシャー州で記者団からウクライナへの兵器供給を拡大するのかと質問され「イエス」と答えた。
一方、ジョンソン首相は議会で「(ウクライナ戦争は)砲撃戦になるだろう。ウクライナはより多くの大砲による支援を必要としており、われわれは他の多くの支援に加え、それらを供給する」と述べた。
トルドー首相は重砲などを提供すると確約した。
ホワイトハウスのサキ報道官は米大統領専用機上で記者団に対し、各国首脳はウクライナに安全保障面、経済面、人道面での支援を提供することを改めて確認したと指摘。「われわれは砲弾などより多くの軍事的支援を引き続き提供する」とした上で、米国はロシアに対する追加制裁を準備していると語った。
サキ報道官によると、バイデン氏と同盟国首脳は約90分間のビデオ会談で、外交的関与および「ロシアの責任を追求する」ための厳しい追加経済制裁に向けた協調的な取り組みについて協議。主要7カ国(G7)、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)を通じて調整するという。
ビデオ会談は東部時間午前9時57分(日本時間午後10時57分)から同午前11時21分(同20日午前0時21分)にかけて行われた。
バイデン氏、ジョンソン氏、トルドー氏のほか、欧州委員会のフォンデアライエン委員長、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、NATOのストルテンベルグ事務総長に加え、ポーランド、日本、イタリアの首脳が参加した。
日本の外務省によると、岸田文雄首相はビデオ会談で、日本政府はウクライナへの支援を当初発表の1億ドルから3億ドルに増やす予定だと述べたという。
仏大統領府当局者によると、ロシアがウクライナ東部に新たな攻勢をかける中、ウクライナに対する安全保障を提供する方法を巡り協議した。
同当局者は、フランスには「安全保障を提供する用意がある」とし、「ウクライナが新たな攻撃に対応できるよう、軍事物資の提供、もしくはウクライナが攻撃された場合にわれわれが関与するような安全保障」が考えられると指摘。こうした安全保障は、集団安全保障を定めたNATO条約第5条のようなものではなく、EUが加盟国に提供している防衛条項に類似するものになるとの見方を示した。
このほか、EU加盟国やG7以外の国々に、世界平和に関わる問題としてウクライナ戦争に対応するよう説得する必要性についても協議したと明らかにした。
また、ショルツ首相は19日、ドイツはウクライナに対する軍事的支援を続けるが、備蓄から供給可能な兵器は限界に達しており、代わりに軍需産業や他国と協力して供給を拡大すると指摘。「購入に必要な資金を提供する」と述べた。
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