中国共産党が定めた対米戦略ラインである第二列島線沿いに位置する米領グアム。専門家は、グアムにおける抑止力を強化し、中国に台湾を侵略するコストは米国との戦争リスクに見合わないと判断するようにしなければならないと述べた。
ヘリテージ財団の政策アナリスト、パティ・ジェーン・ゲラー氏は14日、米シンクタンク・ハドソン研究所が主催するグアムの戦略的位置をめぐる討論会に出席。ゲラー氏は、中国は自国の海岸線を越えて武力を誇示できる戦力態勢を備えようとしていると述べた。またグアムに兵力を前方展開すれば、拡大抑止と台湾への攻撃の抑止につながるとした。
グアムは、日本の小笠原諸島から東南アジアのボルネオ島に至る第二列島線に位置する。その位置と米国の地政学的戦略における重要性から、紛争が発生した場合、中国軍の主要な攻撃目標となる可能性が高いとされる。
米軍は現在、2026年までにグアムに恒久的なミサイル防衛システムを構築することを目指している。以前は暫定措置として対空防衛システム「アイアンドーム」を試験配備した。
インド太平洋軍のデビッドソン前司令官は今後6年間で中国による台湾侵攻の可能性が高いとの推察を示しており「もはや時間を無駄にはできない」状況だと述べ、米国はグアムのミサイル防衛の予算要求を含め至急備える必要があると強調した。
討論に参加した米国立公共政策研究所(AEI)シニアアナリストのマシュー・コストロー氏は、米国には中国が持ち得ない同盟国ネットワークが強みだとし、「米国は日本と緊密に連携しており、オーストラリアや他のアジアの同盟国も台湾の重要性を語っている」と述べた。
また、中国共産党との競争は太平洋全域に展開するものと位置づけ、同盟国ネットワークを統合的な抑止力にできれば、米国にとってプラスになると語った。
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