[パリ 24日 ロイター] – 24日に投開票されたフランス大統領選の決選投票で、現職のマクロン氏が再選を確実にした。内務省によると、開票率97%の段階でマクロン氏の得票率は57.4%と極右候補のマリーヌ・ルペン氏を上回っている。
ただ、マクロン氏は1期目に対する国民の不満を認め、変革を約束した。
勝利宣言で「多くの国民が私に投票したのは私の考えを支持しているからではなく、極右排除のためだ」と述べ、自身への支持を感謝するとともに、生活水準低下を巡る国民の不満に対処していく方針を表明した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響やエネルギー価格の高騰を受け、選挙戦では経済問題が主な争点となった。
世論調査で一時、マクロン氏との差を数ポイントに縮めていたルペン氏は速やかに敗北を認めた上で、6月の議会選挙に焦点を移し、戦いを続ける意向を示した。
<欧州に安心感>
欧州諸国の首脳らからは、国家主義者で欧州連合(EU)懐疑派のルペン氏に対するマクロン氏の勝利を歓迎する声が聞かれた。
EUのミシェル大統領はツイッターへの投稿で、マクロン氏の勝利に祝意を示し、「われわれは、この激動の時代に強固な欧州を必要としている。より主権的で戦略的なEUに完全にコミットするフランスを必要としている」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も「大統領で真の友人であるエマニュエル・マクロン氏の勝利を祝福する」とツイートした。
プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は「マクロン氏再選で、金融市場には安心感が広がるだろう」と語った。
<国民は分断>
今回の選挙では極右政党が躍進し、政治的な分断が浮き彫りになった。
投票を棄権した有権者はマクロン政権への失望感を反映し、約28%と1969年以来の高水準になるとみられている。
6月の議会選挙がマクロン氏の政治運営の鍵を握る。ルペン氏は国家主義者の同盟を組みたい意向で、極右評論家エリック・ゼムール氏や自身のめいであるマリオン・マレシャルルペン氏と協力する可能性がある。
また、急進左派のジャンリュック・メランション氏は自身が首相になるに値すると述べており、マクロン氏は行き詰まりかねない協力関係を強いられる可能性がある。
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