北海道の知床半島沖合で23日13時ごろ、乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU(カズ)1(ワン)」が遭難した事故について、磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で、現時点で11人が死亡し、15人が行方不明になっていると述べた。岸田文雄首相は23日夜、「人命救助を最優先であらゆる手段を尽くして救助にあたる」よう指示した。
海上保安庁、北海道警察、航空自衛隊、潜水士らが連携して行方不明者の捜索を行なっている。遭難した観光船は25日午前の時点で発見されていない。国土交通省は乗客の家族などを対象にした相談窓口を設けている。
磯崎氏によれば、現場が港湾から遠方にあり荒天だったことから、通報が13時台であったにもかかわらず、現場から最も近い羅臼、根室の海上保安部所属の巡視船は通常よりも現場到着まで時間がかかり、最初に到着した巡視船でも17時55分であったという。
今回事故を起こした運航会社「知床遊覧船」は昨年5月に浮遊物接触、6月には座礁事故を起こしていた。事故を受けて国土交通省は同社に対して海上運送法に基づく特別監査を始めた。
同省は昨日から全国の観光船事業者に対して安全確保の再徹底を通知している。また24日から全国運輸局において旅客船事業者に対して緊急安全点検を実施し、これらを踏まえ再発防止策を取りまとめる。
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