元米大統領補佐官「法輪功学習者は炭鉱のカナリア」今なお数え切れぬほど投獄

2022/04/25
更新: 2022/04/25

トランプ米政権下で大統領補佐官(通商担当)を務めたピーター・ナバロ氏は、新疆ウイグル自治区での強制労働が取り上げられるなか、20年以上中国共産党の迫害対象となっている法輪功学習者も、今なお多数投獄されていると警鐘を鳴らした。

「法輪功は中国共産党の強制収容所の『炭鉱のカナリア(編集者注:危険接近の前兆の例え)』だ。強制収容所と言えばウイグル人に焦点が当てられるが、実際には数えきれないほどの法輪功学習者が今も中国で投獄されている」と大紀元の取材に答えた。

道徳的精神性を重んじ、ゆるやかな気功動作を実践する中国古来の精神修養法・法輪功は1990年代の中国本土で広がった。中国共産党の推計によれば、1999年には学習者は7000万人から1億人に上ったという。しかし、中国共産党は膨大な数に達した法輪功を「脅威」とみなし、1999年7月に弾圧政策を開始した。

迫害前の1998年、長春の公園に集まって気功を練習する法輪功学習者たち(写真提供:明慧)

「地球上の新たな悪の形」

ナバロ氏は、4月はじめに逝去したカナダ政府元閣僚で人権活動家のデービッド・キルガー氏に哀悼の意を表した。キルガー氏は中国共産党による強制臓器摘出問題に初めて光を当てた一人だと述べ、その功績を称えた。

キルガー氏は人権弁護士デービッド・マタス氏と共に中国共産党による法輪功学習者や良心の囚人からの強制臓器摘出の問題について調査を行い、2006年には共著で報告書「戦慄の臓器狩り」を発表している。

生前、キルガー氏は「中国で臓器摘出が行われていることを示す32種類の証拠がある。外科医だったエンバー・トフティ氏は、90年代半ばに生きたウイグル人政治犯から臓器を摘出するよう指示されたと証言している」と発言。中国共産党の非人道的な臓器収奪を「地球上の新しい悪の形」と結論づけた。

(左から)カナダ政府元閣僚で人権活動家のデービッド・キルガー氏、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏、中国専門アナリストのイーサン・ガットマン氏。2014年11月25日撮影 (Simon Gross/The Epoch Times)

メディアが国家主導の臓器収奪をほぼ取り上げていないことについてナバロ氏は、米国企業と中国との「密接すぎる」関係を指摘した。シンクタンクのポールソン研究所によると、中国から支援を受けた「企業や投資家が、2400社近い米国企業を支配している」という。

「カリフォルニア大学アーバイン校で25年間務めてきた。中国共産党の資金がどのようにエリートたちに流れ、沈黙するように仕向けているかを見てきた」とナバロ氏。「今、多くの大学が中国共産党のお金で運営されている。しかし時がくれば、大学側は中国共産党の行為がいかに受け入れがたいかを痛感し、ビジネスモデルを変えるだろう」

コロナ対策も権威主義的

ナバロ氏は、中国共産党の中共ウイルス(新型コロナ)への対応にも言及し、上海市では何百万人もの人々が深刻な閉鎖状態に陥っていると非難した。

上海では3月28日から東西に分けて段階的にロックダウンを開始。厳しい隔離措置などを実施する中国共産党の「ゼロコロナ」政策のもと、住民らは深刻な食料不足を訴えている。

「中国共産党は、権威主義的でファシズム的な中国共産党の典型的なやり方で、パンデミックに対処することを選択した。極限状態に人々を閉じ込め、悪い科学と政治を利用している。この狂気を続ければ、最終的には政権を脅かす可能性もある」

 

Epoch Times記者。NYCエリア担当。