林芳正外相は23日、日本近海において展開中の米空母「エイブラハム・リンカーン」をエマニュエル駐日米大使と共に視察した。日本の外相が米海軍空母に乗船したのは12年ぶり。
林氏はカール・トーマス第7艦隊司令官をはじめとする米海軍関係者と意見交換した。外務省によれば、厳しさを増す地域の安全保障環境から、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化することが不可欠であること、また「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて引き続き緊密に協力していくことの重要性を確認した。
林氏は乗組員と懇談し、インド太平洋地域の平和と安定への貢献に感謝を伝えた。そして自衛隊との連携や相互運用性の向上を含め、日米同盟の強化に引き続き尽力してほしいと激励したという。
エマニュエル氏は林外相との活動を自らツイッターアカウントで広報した。艦上での写真を添え、日米同盟について「行動で立場を明確にする」とし、脅威が増大するなか「抑圧と実力で支配をもくろむ者を阻止する」と強い姿勢を示した。
林氏は22日の閣議で、日本の外交方針をまとめた「2022年版外交青書」を報告した。ここでは日米同盟について「日本の平和と安全のみならず、インド太平洋地域の平和と安定にとって不可欠」と明記した。両国は日米同盟の抑止力・対処力を一層強化しており、弾道ミサイル防衛、サイバー、宇宙、海洋安全保障などの幅広い分野において協力していると強調した。
防衛省によれば、米海軍エイブラハム・リンカーン米空母打撃群と海上自衛隊の第11護衛隊の護衛艦「いなづま」は8日から18日まで、日本の周辺海域で日米共同訓練を実施した。
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