豪議員、強制労働防止法案の成立訴える 「誰も不幸を身につけたくない」

2022/04/28
更新: 2022/04/28

オーストラリアのレックス・パトリック上院議員(無所属)は、新国会での優先事項として奴隷労働製品の撲滅に努めるよう保守連合と労働党の2大勢力に呼びかけた。

パトリック氏は23日の発表で「奴隷労働は忌まわしいだけでなく、オーストラリア企業が不公正な条件で輸入品と競争することになる」と述べた。その上で各政党に対して「選挙後、強制労働にどう対処するのか」と問いかけた。

パトリック氏は2021年に強制労働で生産された商品の輸入を禁止する法案を提出。上院では労働党、緑の党、クロスベンチャー(無所属または少数政党)の支持を得て法案が通過したが、保守連合(自由党と国民党)は反対票を投じている。

「自由党政権が法案を支持しなかったことに失望している。強制労働の対策について、自由党は誰の味方なのか」と憤りをあらわにした。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が2020年に発表した報告書によると、2017年から2019年の間に、新疆ウイグル自治区の収容所などから中国全土の工場に送られたウイグル人は8万人を超えるという。

新疆ウイグル自治区における強制労働に対する批判が高まるなか、米政権は昨年12月、強制労働を理由に中国新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」を成立。6月下旬に施行される予定だ。
 

米国をはじめ国際関係担当。