[マニラ 9日 ロイター] – 9日行われたフィリピン大統領選で、20年にわたり独裁政治を敷いた故マルコス元大統領の長男、フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏(64)が当選を確実にした。
選挙管理委員会(COMELEC)の非公式集計によると、有効投票の81.8%の開票時点でマルコス氏の獲得票は2630万票。過半数確保に必要な2750万票に迫る勢いを見せ、レニー・ロブレド副大統領が獲得した1250万票の2倍以上となった。この圧倒的大差は他候補による逆転の目がなくなったことを意味する。
マルコス一族の失脚から36年が経ち、かつて考えられなかったマルコス家の支配への回帰がほぼ確実となった。
マルコス一族は90年代に亡命先から戻って以来、莫大(ばくだい)な資産と広範な人脈を背景に政治の一大勢力として影響力を保ってきた。
マルコス氏は2016年の副大統領選でロブレド氏にわずか20万票差で敗れ、選挙結果を覆そうとして失敗していた。今回の大統領選はマルコス氏にとって雪辱を果たすための好機となった。
マルコス氏は実質的な政策綱領を示していないが、大統領に当選した場合は退任するロドリゴ・ドゥテルテ大統領の路線継続が見込まれている。ドゥテルテ大統領は強権的なアプローチで支持を拡大し、急速に権力を強化した。
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