「トンネルの先が見えない」在中米企業、中国の感染対策で深刻な打撃=調査

2022/05/10
更新: 2022/05/10

中国に拠点を置く米企業が加入する中国米国商会は9日、中国政府の感染対策による米企業への影響に関する調査報告書を公表した。同商会のコルム・ラファーティ(Colm Rafferty)会長は声明で、「中国側の感染防止措置は、米企業の中国に対する信頼感を低下させている」と指摘した。

中国米国商会は4月29日~5月5日まで調査を行った。在中国の米企業121社から回答を得た。

調査は、米企業が直面している最大の課題は、中国政府の外出・移動制限によるサプライチェーンの混乱と人手不足であると示した。

アンケートに回答した米企業の58%は2022年の業績予想を下方修正したとした。52%の企業は中国での投資計画を遅らせ、または縮小したと示した。

中国上海市に事業拠点を持つ米企業のうち15%は、3月に中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染が拡大して以来、上海市の事業所はまだ再開していないと明らかにした。中国全域では、59%の米企業は従業員の不足、供給品の入手困難、政府命令による閉鎖などが原因で生産力の低下や減少を訴えた。

回答者の61%は、サプライチェーンの混乱は、交通輸送ネットワークの中断によるものだとした。

中国政府はこのほど、サプライチェーンの安定化を図り物流を保障するために一部規制を緩和すると表明した。この規制緩和が事業にプラスの影響を与えると答えた米企業は全体の12%にとどまった。さらに、56%の米企業はサプライチェーンの混乱による悪影響が続いていると述べた。部分的に事業を再開できたと回答した68%の米企業の大半は、サプライチェーンの混乱が依然として最大の課題だとした。

中国米国商会のコルム・ラファ-ティ会長は、中国でのビジネス環境について「厳しい状況がさらに悪化している」とし、「中国の米企業は業績予想を引き下げているが、最も心配なのは、会員企業にとってトンネルの終わりが全く見えないことだ」と訴えた。

張哲
張哲
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