[東京 20日 ロイター] – 電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は20日の定例会見で、エネルギー価格が上がる中、日本が原子力発電にどう取り組むか「本気で議論するべきだ」と述べた。
池辺会長は、原子力発電は燃料価格がコストに占める割合が低いため、世界的なエネルギー価格上昇の影響を受けにくいと指摘。足元のようにエネルギー価格が上昇する中では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを増やすほか「原子力発電は非常に大きな役割を果たす」との考えを示した。
エネルギーの安全保障、経済性の確保、2050年のカーボンニュートラルの実現の観点からも「今ある原子力発電を安全最優先で最大限活用するべき」と述べた。
ただ、現在の規制を緩めると国民からの信頼を得られないとし、再稼働に向けては「審査のスピードアップはこれまでも言ってきたし、これからも言い続ける」とした。
<東北電力社長「審査手続き省略するべきではない」>
東北電力は、宮城県の女川原発2号機を2024年2月に再稼働させると発表している。電事連会長の後に会見した樋口康二郎社長は、燃料費高騰やカーボンニュートラル実現に対応するために、原子力発電は「必要な電源だと世の中に認められつつある」との認識を示した。
ただ、再稼働に向けて「審査手続きを省略してまで再稼働するべきではない」とも語り、地域に安全と認識してもらうことが必要と強調した。そのために、電力会社としても「丁寧に説明していく」とした。
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