中国国務院、異例の経済対策会議 各地幹部10万人参加

2022/05/26
更新: 2022/05/26

中国国務院(中央政府)は25日、中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大で急速に悪化した国内経済を立て直すため、各地方政府の幹部約10万人を招集し、異例のテレビ電話会議を開いた。

李克強首相は会議で「重要」演説を行い、「3月、特に4月以降、雇用や工業生産、電力指標、輸送などの経済指標が著しく減速した。現在の困難な状況は、2020年に感染が急拡大した当時よりも大きい」と厳しい口調で指摘した。

首相によると、4月の中央と地方を合わせた全国財政収入は前年同月比で5.9%減少した。4月の地方政府の財政収入は同6.6%減となった。一部の地方政府が緊急対応策として、地方債発行の承認を中央政府に要請したという。

首相は「経済成長の安定化」をより重要な位置に置き、雇用や国民の生活・生計を守り、一刻も早く失業率の低下を図ることに取り組むよう指示した。

時事評論家の王赫氏は、中国政府が異例の経済会議を開いたことは「中国経済が深刻な事態になったことを意味する」との見解を示した。

ウクライナ情勢、欧米諸国との関係悪化などが中国経済の急減速を招いた一因だが、「主因は、感染を徹底的に封じ込めるための中国の『ゼロコロナ』政策にある」と王氏は大紀元に語った。

「こうした政治的な締め付けが中国経済の危機的な状況を作り出した」

3月末以来、都市封鎖された中国最大の経済都市、上海市に住む元大学講師の顧国平氏は「『ゼロコロナ』政策のせいで工場は操業停止となり、交通機関や物流などが全部ストップし、市民の暮らしは一変した。中国経済にとって自殺行為であるとしか言えない」と話した。

李首相は4月以来開催された複数の経済政策会議で、経済成長の安定化などについて口にした。しかし毎回、「ゼロコロナ」政策や都市封鎖に関して述べることはなかった。

王氏は、「ゼロコロナ」政策が中国経済に壊滅的な打撃を与え、外資企業の中国市場撤退を加速させたと指摘し、「この現実問題を避けての経済対策は、オストリッチポリシー(現実逃避)に過ぎない」と示した。

「李首相は経済を立て直そうとしているが、期待できないだろう」と顧氏は述べた。
 

張哲
張哲