中国共産党による法輪功迫害 「拷問キット」使いこなす「エキスパート」の存在

2022/08/29
更新: 2022/08/29

中国共産党(以下、中共)の独裁政権は20年以上にわたって法輪功学習者を迫害してきたが、最近、爪楊枝や小型器具、薬物、針金、媚薬などを揃えた「拷問キット」を使いこなす「エキスパート」が刑務所に派遣されていることが明らかとなった。

法輪功は法輪大法とも呼ばれ、心身を健康にする古代中国文化に基づく修煉法である。しかし、江沢民政権は1999年から法輪功を迫害した。それによって大勢の人々が投獄され、迫害を受け、遂には殺害された。投獄された法輪功の学習者から、組織的に臓器が移植用に摘出されて死亡した事例もある。

中共による法輪功への迫害を報道するウェブサイト「明慧ネット(Minghui.org)」によると、蒋永欽さん(女性)は、法輪功を学習しているというだけで2009年から複数回にわたって投獄された。

蒋さんは、浙江理工大学機械基礎実験教育センターで教師をしていた。しかし2009年9月26日に警察に連行され、翌年2月に懲役3年の判決を受けた。浙江省女性刑務所に送られたため、当時4歳だった娘と高齢で病気の義理の両親は放置された。

明慧ネットに語った情報筋の話によると、蒋さんは今年6月12日に再び連行され、7月7日から8日の間に秘密の場所に移送されて尋問を受けた。尋問を担当したのは、吉林省の国家安全警察2人と、同省公安部の特別懲戒室の2人の計4人。懲戒室から来た2人はいわゆる拷問の「エキスパート」とそのアシスタントで、拷問キットを使い、蒋さんが完全に倒れるまで性的に虐待したという。

迫害のための組織的なプロトコル

情報筋によると、4人は蒋さんの自宅から押収したコンピューターのパスワードを聞き出すまで尋問した。蒋さんの鼻孔にマスタードオイルを吹きかけ、火のついたタバコを入れ、吸殻を鼻孔の中に放置した。やがて、蒋さんは吸殻を口から吐き出した。

しかし蒋さんがパスワードを明らかにしないと見て、他の男たちにキットを使って彼女に性的暴行を加えるよう指示した。彼女が生理中であることが分かると、専門家は「より効果がある」と言った。彼女が倒れて屈服するまで、2時間近く暴行した。

中国アナリストの横河氏によると、中国の刑務所では拷問による取り調べがよく行われているが、通常、刑務所の職員や他の囚人が担当する。しかし蒋さんの場合、エキスパートが上層部から派遣され、取り調べのための薬物が入った専用キットが使用されており「過去の性的迫害とは大きく異なる 」という。

横河氏によると、薬物使用や性的暴行を含む拷問を使った取り調べは、独裁政権の中共のもとで制度的に行われてきた。例えば、鉄の椅子や電気バトンは、国際社会で中共の拷問器具として知られている。

エキスパートと呼ばれる者は、当局が望む情報を得るために、相手を殺すことなく極限まで拷問する方法を見つける専門家だと横河氏はみている。「中共は常に珍しい拷問手法の開発に取り組んでいる」と説明する。

無法状態

横河氏によると、法輪功学習者に対するキットの無制限使用のように、超法規的なことは他でも見られるという。つまり、中共の司法制度は法輪功学習者を例外的ケースとして扱っており、法輪功に関連すれば、すべての規制が無効となる可能性がある。最初から政治的な迫害であり、いかなる法律にも縛られないという。

横河氏は610弁公室の例を挙げた。これは1999年6月に設立された超法規的組織で、特に法輪功の学習者をターゲットにしている。中共は、法令で規定する人権保護の制限を無視し、無法状態で法輪功を迫害している。

Mary Hong
中国の人権問題や政治に関して執筆。2020年よりエポックタイムズに寄稿している。