中国のネット検閲当局は2日、今後3ヶ月間にわたって「ネット上のうわさ」を厳しく取り締まると発表した。秋に開催予定の中国共産党第20回全国代表大会(党大会)を前に、言論統制を強化する構えだ。ロックダウンされた成都市では、事前に食糧の備蓄を呼びかけた人物が拘留された。
ネット上の言論検閲を担当する中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は声明で、重大な会議や重要な活動及び政策、党の過去に業績を残した人物、社会、経済、自然災害などに関する「うわさ」が検挙の対象だとした。違反者はブラックリスト入りし、SNSアカウントの無期限凍結などの処罰を受けるという。
米ニューヨーク在住の評論家・李林一氏は大紀元の取材に対し、取り締まりキャンペーンは「党大会前に党の指導者や人事異動についての『うわさ』を排除し、党の歴史や体制を暴く不都合な情報を取り除き、『政治的安定』を守るための措置だ」と指摘した。
「都市封鎖はうわさ」
「熱帯雨林」のハンドルネームを使用する中国人ネットユーザーは8月29日、中国本土系SNSのグループチャットに「(四川省)成都市は都市封鎖を検討している」と投稿し、市民に食料品を備蓄するよう呼びかけた。投稿は拡散され、市民らはスーパーに殺到した。ネットスーパーも品切れが続出するなど、大きな反響を呼んだ。
警察当局は、同ユーザーが「アクセス稼ぎのため、うわさを拡散した。社会不安を煽った」として、15日間の勾留と罰金刑を言い渡した。
なお、2日後の9月1日、成都市は都市封鎖の実施を発表した。
ネット上には「事前告知のおかげで、食糧不足を回避した」と感謝の書き込みが多く投稿された。なかには当局に謝罪を求めるユーザーもいた。
ニュースサイトの「搜狐新聞」は成都市の都市封鎖を報道する記事に熱帯雨林の写真をつけ、当局の措置に不満を表明した。
インターネット情報弁公室は、昨年ネット上の2200万件の「違法」情報を削除し、13億4000万個のアカウントを凍結したと8月19日に公表した。中国人1人当たり1度はアカウント停止を受けた計算になる。
(翻訳編集・王天雨)
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