米国のポンペオ前国務長官は4日にツイッター上で、中国共産党政権の統治を批判する自身の動画を巡って、中国大使館がハドソン研究所に書簡を送り圧力をかけていることを明らかにした。ハドソン研究所は「事実は変えられない」と同氏を擁護した。
ポンペオ氏は国務長官を退任後、米シンクタンクのハドソン研究所中国センターの諮問委員会委員長を務めている。
ポンペオ氏は4日、在米中国大使館が同研究所に宛てた書簡をツイッター上で公開し、「中国共産党は私に真実を語ることをやめさせようとしている。それはあり得ない」とツイートし、書簡をゴミ箱に捨てる絵文字を付け加えた。
ハドソン研究所は9月13日から、中国センターが作成した動画シリーズ『ポンペオ氏から中国の人々へのメッセージ』を発表した。これまでに『中国共産党は中国国民を代表することができない』と『米国の人種問題に関する中国共産党の嘘』の動画が掲載されている。動画には中国語と英語の字幕がつけられ、それぞれ3分間だ。
中国大使館は書簡の中で、ポンペオ氏が「中国共産党に対して根拠のない非難を行った」と反発。書簡は、共産党の指導の下で中国の人々は「迫害、抑圧、隷属」から解放され、中国は「急速な経済発展と長期的な社会安定という2つの奇跡を起こした」と主張した。また、米ハーバード大学の世論調査を引用し、中国国民の9割が共産党と中国政府に「満足している」と強調。
ポンペオ氏は動画の中で、「中国共産党こそが史上最大の反中国の勢力であることは否めない事実である」とし、中国共産党は数千万人の中国人を殺害し、数千年の歴史を持つ中国伝統文化を破壊する文化大革命を起こしたと、痛烈に糾弾した。
ハドソン研究所もツイッターを更新し、「大量虐殺を行う中国共産党は、中国人民を抑圧し、世界中の自由な人々の敵である。中国国民はそれを知っており、アメリカ国民もそれを知っている。かつて賢人が言ったように『事実は変えられない』。 ハドソンでは誰もこれに怯むことはない」と圧力に屈しない姿勢を示した。
ポンペオ氏の投稿について、ネットユーザーらは「動画は共産党の図星をついた」「これがまさにロングアーム管轄だ」「このやり方は、中国が人民共和国ではなく、党国体制であることを示している」と中国共産党を非難した。
「世論調査で9割の中国人が共産党の統治に満足しているという調査結果が出たのは、残り1割の中国人が今も強制労働施設に拘束されており、調査に回答できないからだ」と指摘する声もある。
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