中国鄭州、未完成住宅の工事再開も6割にとどまる

2022/10/05
更新: 2022/10/05

中国・河南省鄭州市政府は9月上旬、建設途中で放置されたマンションの問題を解決するため、1カ月以内に建設工事を再開するよう不動産デベロッパーに要求した。期限を迎える10月6日を前に、工事を再開した物件は全体の6割にとどまったことがわかった。

近年、融資規制や景気低迷などを背景に不動産企業は資金難に陥り、各地で建設未完成のマンションが続出した。

中国では一般的に入居前から住宅ローンの返済を始めるため、7月以降、住宅ローンの返済を拒否する動きが拡大した。現時点で、中国各地の343のマンション物件の購入者が住宅ローンの返済を拒否すると宣言している。

中国メディア「財新網」2日付によると、鄭州市内には100の未完成マンションがあり最も深刻だという。同市政府は9月6日、「30日以内に市内の未完成物件の建設を全面的に再開せよ」と通達した。

同記事は不動産企業関係者の話として、うち6割が徐々に工事を再開したと報じたが、一部は債務超過で依然として工事を再開できていないという。

財新網は、救済資金の不足、不動産市場の低迷、供給過剰などの影響で、未完成マンションに対する鄭州市の救済は難しいとの見方を示した。「2回目の工事中断が起きる可能性がある」とした。

在米経済学者のデービー・ジュン・ファン(Davy Jun Huang)氏は、不動産セクターは中国経済の重要なけん引力として近年、経済成長への寄与度は20~25%だったと大紀元に語った。

同氏は、未完成のまま放置されたマンションの急増で、中国不動産セクターは「治る見込みがないほど病んでいる」現状を物語っていると指摘した。

ファン氏は、中国の地方債と不動産企業の債務を合わせると「少なくとも30兆~40兆元(約608兆~810兆円)規模に達している」とし、中国の金融システムに非常に大きなリスクをもたらしているとの見解を示した。

中国政府は金融危機を回避するために「やむを得ず未完成物件問題の解決に乗り出した」。

張哲
張哲