中国の長江流域はこの夏、記録的な猛暑と水不足に見舞われた。上海市の長江河口に位置する3つのダムで9月、海水の遡上による塩水侵入が起きたため、上海市は深刻な水不足に直面している。
市政府は水の供給を保障するために他省から水を調達しているが、市民の間で飲用水を買いだめする動きが広がっている。
上海市供水管理処は11日にSNS微博(ウェイボー)上で、12日に市内の一部の地区で計画断水を実施すると公表した。
いっぽう、微博では10日、上海市職員らのチャット内容をスクリーンショットした写真が投稿され、話題となった。職員らは、長江上流地域の干ばつが主因で、下流に位置する上海市の3つの主要ダムの貯水がほぼ「枯渇しており」、工業用水を保障できないうえ、生活用水の水質も悪化し「(不純物が)基準値の4倍になった」と指摘。
この投稿によると、第20回党大会を16日に控えるなか、市政府は社会不安を回避するために事実を公表しない方針だ。職員らは「万が一の事態に備えて飲用水を確保するように」と呼びかけた。
この影響で、微博にはスーパーなどで水を大量に買い込む市民の姿を映した写真が次々と投稿された。
国営中央テレビ(CCTV)は9月25日、上海市の主要ダムである「長江口青草沙水庫取水口」と「陳行水庫取水口」で同月5日と14日に塩水侵入を観測したと伝えた。
同報道は、長江流域では8月以降干ばつが続き、上流の淡水河川の水流が弱くなり、海との合流点で海水が逆流し、塩水侵入の現象が生じたとした。
中国メディア「財新網」は11日、青草沙水庫と陳行水庫は取水口を閉鎖したと報じた。
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