中国国有企業、EU14の港に投資 NATO軍事施設に隣接=米誌

2022/10/18
更新: 2022/10/18

米誌「ニューズウィーク」最新号によると、中国国営企業は欧州連合(EU)の14のを含めて、世界各地で約100の港の株式を取得した。そのうちの1港は、北大西洋条約機構(NATO)の演習施設であるドイツの軍港に隣接する。

報道は、専門家の話を引用し、中国企業が投資した港には戦略的な役割があり、中国企業は船舶の出入り、コンテナ貨物の積卸などに発言権を持つため、スパイ活動のリスクが高いと指摘した。

また、中国企業が投資を行った港の約3分の1には、中国軍の艦船が入港しているという。

中国国有海運会社、中国遠洋海運集団有限公司(COSCO)は現在、ドイツ・ハンブルク港のトレロー・コンテナターミナル(CTT)の株式35%を取得しようとしている。海洋安全保障および経済学の研究者は、この投資案が成功すれば「ハンブルクは中国企業が出資する世界の96番目の港になる」とした。また、この投資案を通じて、中国はギリシャやポーランドなどの港の株式取得がより簡単になり、NATO加盟国の2番目の経済大国であるドイツの経済活動により大きく関与できるという。

報道では、中国企業が出資している約100の港の半分以上は、習近平国家主席が提唱した巨大経済圏構想「一帯一路」の下で、中国企業が投資参入を行ったものであり、うち61の港はアフリカの30カ国に位置している。中国企業によるEUの港への投資は、より懸念すべきだと指摘した。

ハンブルク港は大西洋を横断する貿易と通信にとって重要な港の1つ。ハンブルクを除けば、COSCOをはじめとする中国国営企業がEUの14の港(ターミナルなどの運営会社を含めて)の株式を取得した。EUに加盟していないトルコとウクライナの港を計上すれば、中国国営企業はEUの16の港に参入したことになる。さらに、香港人実業家、李嘉誠氏が率いる和記黄埔集団が投資した5の港を加えれば、EUの21の港が「中国共産党の影響力の範囲内に収められている」とニューズウィーク誌は懸念を示した。

いっぽう、中国国有物流会社、中国物流集団(China Logistics Group)はドイツ・ヴィルヘルムスハーフェン(Wilhelmshaven)港との間で、同港内の一部の土地を99年間リースすることで契約を結び、物流センターを建設する計画だ。ヴィルヘルムスハーフェン港からドイツ海軍基地、ヘッペンザーグローデン(Heppenser Groden)までわずか4.8キロしか離れていない。同基地はNATOが合同演習を行う重要な拠点である。

報道は、中国軍は中国企業が出資している海外32の港を「技術的拠点(technical stops)に認定した」と報じている。

張哲
張哲
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