ソロモン諸島、中国に警官を派遣 訓練などで

2022/10/14
更新: 2022/10/14

太平洋島嶼国のソロモン諸島警察はこのほど、警官32人が訓練と中国文化への理解を深めるために中国に出発したと発表した。同国の警官が中国国内で訓練を受けるのは今回が初めてだ。

ロイター通信によると、中国とソロモン諸島が今年4月に安全保障協定を結んで以降、中国はソロモン諸島の警察に治安管理訓練を提供してきた。発表では、派遣された警官32人は約1カ月間の訓練を受け、中国各地の警察署などを訪問する予定だ。

いっぽう、太平洋地域での中国の影響力拡大を警戒する米国は、9月の太平洋島嶼国の首脳らとの会合で、連邦捜査局(FBI)の法執行指導官を年内にソロモン諸島に派遣すると表明した。

伝統的に南太平洋に強い影響力を行使してきたオーストラリアは、中国とソロモン諸島の接近を警戒している。オーストラリアは昨年11月、反政府デモが起きたソロモン諸島に軍と警察100人以上を送った。

ソロモン諸島のソガバレ首相は今月6日、オーストラリアのアルバニージー首相と会談した際、中国がソロモン諸島を軍事拠点とすることを認めないと発言し、オーストラリアの懸念を払しょくしようとした。

中国とソロモン諸島は安全保障協定の詳細内容を公開していない。ソガバレ首相は「中国側が許可した場合のみ、詳細を公表できる」と述べたことがある。

中国側は、ソロモン諸島との安全保障協定に基づき、中国の警官はソロモン諸島で中国企業などの投資プロジェクトや中国人を防護することが可能だとしている。中国の建設会社や通信会社は同国のインフラ整備に数百万ドルを投じたという。

今年3月、インターネット上では、安全保障協定の草案とみられる文書が掲載された。草案は、ソロモン諸島は中国に対して武装警察や軍の派遣を要請でき、また治安維持の支援、国民の命・財産の保護、人道支援、災害救助を含む幅広い分野で中国に支援を求めることができるとした。

 

張哲
張哲
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