米国のトム・コットン上院議員ら5人は13日、中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)と繋がりのある鵬芯微集成電路製造有限公司(PXW)が半導体工場を建設していることをめぐり、建設停止に向け直ちに行動を起こすよう、米バイデン大統領宛に書簡を送った。PXWはファーウェイ元幹部が運営しており、米規制回避に同社を活用しているとみられている。
米通信社ブルームバーグは6日、ファーウェイが支援する広東省深圳市のスタートアップ、鵬芯微集成電路製造有限公司(PXW)が、14ナノメートルと7ナノメートルという高度なチップを量産する半導体工場を建設していると報じた。
議員の書簡は、こうした高度なチップの製造により「ファーウェイは5G市場の支配に向けた行進を再開する」ことになると指摘。その結果、「中国共産党は世界の通信を支配し、経済スパイと抑圧を拡大する計画を進めることになる」と危機感をあらわにした。
米政府は米国産半導体製品を中国に購入させないようファーウェイを取引禁止リストに加えるなどして規制を強化してきた。しかし、PXWの工場建設により「情報・抑圧装置を強化しようとする中国共産党に対抗する米国の戦略を致命的に弱体化させる」と議員は懸念を表明した。
また、中国の半導体メーカーがこれまで7ナノメートルのチップを限定的にしか製造できなかったことに触れ「中国の半導体製造における危険な飛躍を意味する」指摘した。
いっぽう、書簡はバイデン政権の対応を非難した。PXWがファーウェイと関係があるにもかかわらず、現政権は公式な措置を取ってこなかったとし、PXWをブラックリストに追加するよう現政権に求めた。
ファーウェイは人民解放軍との繋がりや不正な監視活動が指摘されてきた。米国は2019年にファーウェイ製品の政府調達を禁じた。昨年11月にはファーウェイや中興通訊(ZTE)などの中国通信機器メーカーの認証を禁じる法案を成立した。
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