[ロンドン 25日 ロイター] – 英国の与党・保守党党首に選出されたリシ・スナク元財務相が25日、新首相に就任した。経済危機の中で英国をリードし、政治への信頼感を取り戻すと確約した。
スナク氏は過去2カ月で3人目の首相。ダウニング街10番地の首相官邸前で行った、首相としての初演説で、前任のトラス氏が掲げた経済成長を再始動させる計画は意欲的ではあったが「誤り」もあったとし、「首相としてこれを修正する」と表明。「信頼を回復するためにすべきことがあると理解している」と述べ、困難な決断が待ち受けているとの認識に立ち、経済安定と信頼回復を政策課題の中心に据えると確約した。
新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)の最中に財務相を務めたスナク氏の首相就任を、エコノミストや投資家は歓迎。スナク氏はエネルギー支援策などで生じた約400億ポンドの財政赤字を穴埋めするために、支出削減策を打ち出すと予想されている。
スナク氏は直ちに組閣に着手し、債券市場の沈静化に貢献したジェレミー・ハント財務相を再任した。ハント財務相はツイッターへの投稿で、今後の道のりが「厳しい状況になる」という認識を示しつつも、政府が安定と信頼、長期的な成長の回復に向け努力すると表明した。
クレバリー外相も再任するほか、副首相にはラーブ元副首相を起用した。
保守党の党首選でスナク氏の対抗馬だったモーダント下院院内総務は同ポストに留任。関係筋によると、モーダント氏は外相ポストを望んでいたという。
トラス前首相辞任に先立ち、トラス氏を批判する格好で辞任したブレイバーマン元内相の再任も決まった。ブレイバーマン氏辞任後に内相を務めたシャップス氏はビジネス相に就任する。
ウォレス国防相の再任も決まった。
バデノック国際貿易相も再任した上で、平等担当相と兼務。辞任したクラーク・レベリングアップ相の後任には10年以上にわたり英政界に影響力を有するマイケル・ゴーブ氏が起用された。ゴーブ氏は2021年9月─22年7月までレベリングアップ相を務めていた。
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