［８日　ロイター］ – ７─９月期決算発表が相次ぐ米シェール企業から１０─１２月期生産状況に対する慎重な見解や通年生産予想の引き下げ、来年のさらなる生産悪化を懸念する声が続出している。油価やガス価格の上昇は利益を支えている一方で、コスト増大や人手・機材不足が引き続き悩みの種のようだ。

ダイアモンドバック・エナジーは８日、投資家に対し、シェール業界の産出の伸びはこれから何年も低調なままになる可能性が高いと表明。産油量急減につながる油井の老朽化やサプライチェーン混乱のほか、配当などの株主還元要求に応える負担を挙げた。来年の同社増産率は１桁台前半にとどまるとみている。

コノコフィリップスのライアン・ランス最高経営責任者（ＣＥＯ）も今月の電話会議で、コストの急激な上昇に加え、サプライチェーンが極めて逼迫しており、業界全体で生産拡大の足が引っ張られていると語った。今年の業界全体の産出の伸びは日量９０万バレルと予想する一方、来年は油田の経費上昇がさらに続くことで、増産ペースは鈍ると警告した。

オキシデンタル・ペトロリアムのビッキ・ホルブＣＥＯは今年既に、コロナ禍がもたらした打撃の長期化を投資家が軽視していると訴えている。

ダイアモンドバックと事業が競合するパイオニア・ナチュラル・リソーシズはテキサス州西部の一部油井で産出が想定を下回る状況に直面しているとし、来年の掘削計画を見直すことになると表明した。

ＳＭエナジーは最近、今年通年の生産見通しを３％引き下げ、油井閉鎖や機材不足などを指摘。ライバルのラレド・ペトロリアムは１０─１２月期の生産が７─９月期より落ちるとの予想を示した。

８日には米政府も来年の米石油生産予測を２１％も下方修正した。ただ、バイデン大統領はこれまでのところ、石油会社が迅速に増産しようとせず、石油高騰でもうけていると非難している。