中国の野望は「世界の安全保障に対する脅威」=カナダ国防相

2022/11/23
更新: 2022/11/23

カナダのアニタ・アナンド国防相は19日、ハリファックス国際安全保障フォーラム(HFX)で、インド太平洋地域における中国の野心増大への懸念を示した。

HFXでは、権威主義国家などが世界の安全保障にもたらす脅威について専門家が議論する。アナンド氏は、HFXの開会の辞で国際社会が直面している脅威に言及し「中国はインド太平洋における野心を主張するために、ますます攻撃的になっている」と述べた。

また、志を同じくする国々が、多国間主義への強いコミットメントを通じて、国際的な平和や安定など「大切にしている価値を守るために協力し合う」必要があると強調した。

11月18日から20日にかけて開催されたHFXフォーラムには、およそ50カ国から約400名の政府高官、軍高官、政策立案者、学者、産業界のリーダーが参加した。日本からは外務省の石月英雄総合外交政策局審議官が参加し、中国やロシアとのデカップリングについて議論した。

「中国に挑戦する」

アナンド氏の発言は、最近カナダ企業に中国との関係を深めないよう促したジョリー外相の警告を反映するものだ。

ジョリー氏は9日、トロント大学の聴衆を前に「世界の権力構造の地殻変動が起きている」「中国に対抗すべき時には対抗するべきだ」と述べた。同省はインド太平洋戦略を1カ月以内に発表するとしている。

16日にインドネシアで開催された20カ国・地域首脳会議(G20)では、会談の詳細がメディアにリークされたことについて、中国の習近平国家主席がトルドー首相に苦言を呈する様子がカメラに捉えられた。これを受けて複数の保守派の議員や専門家は、中国に対して強い姿勢を取るようトルドー政権に求めた。

政府官邸によると、カナダの選挙に対する中国の干渉疑惑やカナダ国内で活動する非公式警察署の報告などをめぐりトルドー首相は習氏に懸念を表明したという。

関連特集: 北米・中南米