米グーグルが香港国歌のネット検索結果を変更するよう求めていた香港政府の要請を却下していたことがわかった。スポーツ国際大会で香港国歌として香港民主化のテーマソング『香港に栄光あれ』が流れる事例が相次いでおり、香港当局はインターネット検索に問題があるとしてグーグルに抗議していた。
グーグルはアルゴリズムによって検索結果が決定されているとし、香港政府の要請を拒否した。香港の国歌は中国国歌「義勇軍行進曲」だが、グーグル検索で「香港国歌」を入力すると『香港に栄光あれ』が上位に表示される。こうした検索結果が国歌取り間違いを起こしていると香港政府は主張していた。
香港政府保安局のトウ炳強(クリス・タン)局長はグーグルの決定を受けてダブルスタンダードだと非難、「香港の人々の気持ちを傷つけた」と遺憾の意を表した。
「選曲ミス」は、11月に韓国仁川で開催されたラグビー国際試合に続き、2日にドバイで行われた重量挙げアジア大会の表彰式でも発生した。香港当局は「正しくない曲が流れた場合、選手が『T』のハンドサインを示して異議を表明すべき」とのガイドラインを策定していた。
『香港に栄光あれ』は2019年、香港で逃亡犯条例改正案を巡る抗議活動が発生したことをきっかけに香港人音楽家によって作曲された。「自由のためにここに集え、全力で闘おう」「民主と自由が永遠であれ」などの歌詞が民主化を求める市民の間で人気を呼んだ。
スペインの人権団体「セーフガード・デフェンダーズ」の共同設立者マイケル・キャスター氏は、「グーグルは、検索結果の操作を試みる中国からの圧力に対抗した。他のネット仲介業者に対しても、検閲に加担する圧力に対抗できるという前向きな手本を示している」と述べた。
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