mRNAワクチンによる心臓障害での死亡、論文が証拠を提供

2022/12/24
更新: 2022/12/24

ドイツのハイデルベルグ大学病院の病理学者が、メッセンジャーRNA(mRNAワクチン接種後に死亡が確認された人々がどのように死亡したかを示す直接的証拠を発表した。

6人の科学者によると、mRNAワクチンを接種した患者は、自己免疫(自らの免疫細胞が心臓を攻撃)によって心臓に損傷を受けた。自己免疫によって心臓は1秒間に何度も拍動するようになり、ひとたび頻脈(心拍数が増加している状態)が起きると、数分で死に至るという。

この論文「Autopsy-based histopathological characterization of myocarditis after anti-SARS-CoV-2-vaccination 」は11月27日、医学誌「Clinical Research in Cardiology」で発表された。研究チームは、ワクチン接種後28日以内に自宅で死亡しているのが発見された、年齢の異なる25人を病理解剖した。彼らは、心臓の基礎疾患がないのに、なぜこれらの人々が心拍の乱れで死亡したのかを調べるために、心臓組織を顕微鏡で観察した。

その結果、著者は「我々の発見は、致死的なワクチン接種に伴う心筋炎の組織学的表現型を確立した」という。組織学的表現型とは、顕微鏡で組織を直接観察することを指す。

この結果を分析した動画で、英国を拠点とする看護師教育者ジョン・キャンベル博士は、次のように語った。

「これは査読済み論文だ。科学に基づくもので、ドイツを代表する病理学者たちによる決定的な病理診断だ」

キャンベル氏の動画チャンネル登録者数は12月5日時点で259万人に上り、同動画の再生回数は100万回を超える。

 

心室頻拍または細動で死去

心室頻拍とは、心室が通常よりも早いペースで規則的な興奮をする不整脈で、心室に血液が十分に取り込まれず、正常な量の血液を送り出せなくなる。

心室細動は心房が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震え心臓本来の動きができなくなる病気。心房細動はよく知られているが、心室細動の方がはるかに危険で、数分以内に死に至ることがある。

この研究で心臓を解剖された死者は、いずれもmRNAワクチン接種後28日以内に心室頻拍または心室細動で死亡していた。

 

目に見える心臓のダメージ

マクロファージは、免疫細胞の一つで体内に侵入した細菌などの異物を捕食する働きを持つ。ノースウェスタン大学の研究者によれば、マクロファージは自然免疫系の重要な一部であり、正常な組織の発達や損傷した組織の修復を助けるという。

しかし、ワクチン接種後1カ月で急死した人々の場合、体内のマクロファージが心筋に浸透し、筋肉を捕食していた。このマクロファージの侵入は、心臓の電気的インパルスの伝導を阻害し、不規則な拍動を引き起こしていたとみられる。

この不規則な心拍は速い拍動といった負のフィードバックループを引き起こす。このような状態になると、心臓は事実上血液を送れなくなり、患者は数秒から数分で死に至る。

今回の研究には、犠牲者の心臓細胞の損傷、心筋内のリンパ球(別の種類の小さな免疫細胞)の存在、心筋内の浸潤性マクロファージなどを示す顕微鏡画像が含まれていた。心臓組織にはマクロファージとTヘルパー細胞というリンパ球の両方が見られた。免疫細胞は点状に集中しており、その一つ一つがフォーカスと呼ばれている。このように損傷した心臓組織の斑点は、心臓の円滑なリズムを乱すオフビート信号を発生させる可能性がある。

 

心筋炎:ワクチンの有害事象として認識

世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は、「稀な合併症」としながらもmRNAワクチン接種後の心筋炎を認めている。また、ほとんどの医師は心筋炎の症例を「軽度」と判断している。

しかし、キャンベル氏が指摘するように、今回の研究で病理解剖の対象となった患者も「軽症」とされる心筋炎があった。心筋炎は、あちこちに微細な斑点が現れるだけだが、この斑点が電気的に破壊されることによって、突然死を招いたとみられる。

キャンベル氏は、臨床医がmRNAワクチン接種者がこの自己免疫性心筋炎に罹患しているかもしれないという「高い疑い」を持ち、その人々が生きている間に診断と治療を行うよう勧めた。このワクチンによる傷害を「まれで軽いもの」とする臨床医が、回避できる可能性のある無数の悲劇を引き起こしているのである。

 

相関関係か因果関係か?

今年初めに医学誌『Journal of the American Medical Association』に発表されたオリジナルの調査では、mRNAワクチン接種後に、予想外の集団、特に少年や若い男性に心筋炎が多発したことが判明している。

イギリスの統計学者であるオースティン・ブラッドフォード・ヒル卿は1965年に因果関係を評価する疫学的ガイドラインを確立した。現在はブラッドフォード・ヒル基準と呼ばれている。

ブラッドフォード・ヒル基準を同研究に適用すれば、これらの患者の致死性心筋炎は、確かにmRNAワクチンによって引き起こされたことがわかる。同研究はブラッドフォード・ヒル基準である強さ(二つのことが同時に起これば起こるほど、たとえ稀な出来事であっても、一方が他方を引き起こす可能性が高くなる)、一貫性(mRNAワクチンによる心筋炎による突然死の発見は、異なる場所や集団で一貫して起こっている)、特異性を示した。

実際、ドイツの研究者たちは、致死的な心筋炎が他の原因よって引き起こされた可能性を排除している。彼らの研究は、もう一つのブラッドフォード・ヒル基準である「首尾一貫性」も示している。これは、疫学研究と実験室サンプルの両方で同じ効果が見られる場合をいう。

ブラッドフォード・ヒルのもう一つの基準は「類似性」である。この因果関係は、我々がすでに理解している他の医学的問題と類似しているかどうかを指す。この場合、自分の心臓に対する自己免疫反応が、心室頻拍を引き起こし、診断された人の3分の2以上が巨細胞性心筋炎を引き起こすことがすでに判明しているので、類推の基準は満たされている。

ブラッドフォード・ヒルは、因果関係を立証するために、「あることが他のことを引き起こすメカニズムが存在するか」という「妥当」関係も問う。「妥当」な関係は解剖でも証明されており、ドイツの研究者たちは、そのメカニズムを明確に示した。キャンベル氏は、動画のなかで「顕微鏡で撮った写真に反論することはできない」と述べた。

ブラッドフォード・ヒル基準で因果関係を立証するためには、9つの視点のうち1つか2つを満たせばよいとされる。今回の研究では、mRNAワクチンと心臓機能障害について、9つの基準のうち7つが満たされており、疫学分野での画期的な発見であると言える。

つまり今回の研究では、mRNAワクチンは自らの免疫細胞が心臓を攻撃させ、心筋炎を引き起こし、心室頻拍や細動による突然死につながる可能性があるという証拠が示された。

この記事で述べられた見解は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの見解を反映するものではありません。

受賞歴のあるジャーナリストでフルブライト奨学生。西アフリカで子どもの生存のためのキャンペーンに従事したほか、フランスのゴールデンタイムのテレビ番組でパキスタンの児童奴隷制廃止を訴えた。4児の母でもある。著書に『Your Baby, Your Way(仮題:あなたの赤ちゃんは、あなたの方法で)』
Joe Wang
ワクチン業界で10年を越える経験を持つ分子生物学者。現在は新唐人テレビ(カナダ)の社長兼エポックタイムズのコラムニストでもある。