中国動画投稿アプリ「TikTok」とその運営会社・北京字節跳動科技(バイトダンス)のロビイストが2021年以降、ホワイトハウスに複数回訪問し、多額の金額を費やしていたことが明らかになった。米ワシントン・エグザミナーが9日付で報じた。
米国では国家安全保障上の懸念からTikTokを規制する動きが広がっており、専門家はこうした訪問は「無条件に」憂慮すべきものだと指摘する。
報道によると、ロビイストは2021年7月から2022年8月の間に少なくとも8回ホワイトハウスを訪問していた。ロビー活動チームには、数十人の元議会スタッフ、元議員、トランプ前大統領の選挙元シニアアドバイザーなどが含まれており、昨夏には約100万ドル(約1億3000万円)をロビー活動に費やしていた。
いっぽう、ロビイストたちがTikTok関連の業務でホワイトハウスを訪問したかは不明だ。クリントン元大統領の上級連絡員を務めたことのあるロビイストは、訪問先でTikTokが話題に挙がったどうかというワシントン・エグザミナーの質問に対して「パスする」とコメントを拒否した。
バイトダンスは当時のトランプ大統領が米国内でのTikTok使用禁止を検討していた2020年の4〜6月にもロビー活動に50万ドルを費やしている。
米国内ではセキュリティリスクが指摘されるTikTokに関して、中国の影響力を懸念する声も多く、議会の風当たりも強まっている。8日には、オハイオ州がTikTokを含む複数の中国アプリを州政府の機器で使用することを禁じた。こうした措置を講じる州は現在、20州以上に上る。
マイク・ギャラガー下院議員は1日TikTokを中国政府が提供する依存度の高い「デジタル薬物(フェンタニル)」と表現した上で、中国共産党の支配下にあるバイトダンスは、米国のデータセキュリティに対する脅威だと懸念を示した。
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