【春聯】
「春聯(春節聯歓晩会)」は中国中央電視台(CCTV)が毎年の春節、いや「旧正月」を迎える夜に放送するテレビ特番である。
1983年から始まった「春聯」は、旧暦除夜の午後8時ごろから年を越す深夜1時ぐらいまで、ステージショーを中心に行われる。要はNHKの紅白歌合戦のようなものだが、何しろ中共の看板番組であるから、その内容は想像がつく。一言でいえば、まことに醜い。
「見れば人体に害がある」という意味で、読者各位にお薦めできるものではない。ただ、それでも小欄のテーマに取り上げたのは、来たる1月21日の晩から始まる今年の「春聯」を、いかに鉄面皮のまま、中国共産党を主人公とする祝賀ムードを無理やり演出するか。その欺瞞ぶりの一端を想像してみるためである。
周知の通り、いま中国各地は、3年前の武漢肺炎を上回る最大規模のパンデミックに見舞われている。多くの遺体が累積して、火葬場でも処理しきれない。腐敗を避けるためか、時には集合住宅の中庭で住民の手によって荼毘(だび)に付されている。
ただ、素人が考えても分かることだが、平地に置いた遺体に燃料をかけて焼いても、見るも無残な生焼け死体が残るだけである。もはや地獄絵図としか言いようがない。
多くの中国人が、世を去った肉親を悼む昨今。誰が「春聯」のような共産党賛美の番組を見たいと思うであろうか。
死者はすでに4億人ともいう。中共瓦解は、秒読み段階に入ったと言ってよい。
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