バイデン氏、一般教書演説で共和に協力呼びかけへ 強い経済も称賛

2023/02/08
更新: 2023/02/08

[ワシントン 7日 ロイター] – バイデン米大統領は7日午後9時(日本時間8日午前11時)に行う一般教書演説で、共和党に議会での協力を呼びかける見通し。また、米国の民主主義は傷ついたものの「屈しておらず、壊れていない」と宣言する。ホワイトハウスが演説原稿の一部を公表した。

新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)後の経済回復、2022年に通過した大規模なインフラ・インフレ法案に触れるほか、分裂しながらも議会は法案を向こう1年になお通すことができると強調する。

バイデン氏は「共和党の友人よ、前議会で協力できたなら新議会でできない理由はない」と述べる。

また「国民はわれわれに明確なメッセージを送っている。戦いのための戦い、権力のための権力、対立のための対立では何も得られない。われわれは仕事をこなすためにここに送られたのだ」と訴える。

経済面では、1月に失業率が約54年ぶりの低水準まで低下する中、米経済の回復力と強さを称賛する一方、インフレ率の低下と公的年金「ソーシャルセキュリティー」およびメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険)給付を守るための継続的な取り組みを約束する。

また、パンデミックから利益を得ている企業を非難し、超富裕層向けのミニマム税や、企業の自社株買いに対する税率を4倍にすることなどを提案する。

外交政策については、ロシアのウクライナ侵攻に対する米国主導の対応、北大西洋条約機構(NATO)同盟の強さ、そして撃墜した中国偵察気球によって注目される米中間の緊張に焦点を当てる見通し。

一方、トランプ前政権で大統領報道官を務めたサンダース・アーカンソー州知事は、バイデン氏の明るいビジョンを否定。自身のテレビ演説に先立って公表した原稿の中で「急進左派の米国では、連邦政府はあなたに課税し、あなたの苦労して稼いだお金に火をつける。しかし、あなたは高いガソリン価格、空っぽの食料品棚に打ちひしがれ、われわれの子どもたちは人種を理由にお互いを憎むように教えられている」と指摘した。

Reuters