中国地方政府が日本を含む海外に非公式に設置し、中国共産党体制への異見者の帰国を強いる活動拠点「中国海外警察署」について、人権団体代表は17日、5月開催の主要7カ国(G7)広島サミットで同問題が議論され、共同声明のなかに記載するよう求めた。
スペイン拠点の人権団体セーフガード・ディフェンダーズのディレクター、ローラ・ハース氏は、日米欧の国会議員らでつくる「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が東京で開いた国際会議「人権外交フォーラム」に出席した。
フォーラムに出席した少数民族や香港などにおける人権侵害被害の当事者団体の話を受けて、ハース氏は中国(共産党)がもたらす世界的な影響を念頭に「海外警察は氷山の一角に過ぎない」と強調。
この問題を通じて「中国国内で起きていることは、もはや外交の問題に限らず」安全保障や国内問題、主権侵害、普遍的な価値を脅かす問題であることも示されたと述べた。
ハース氏は、広島サミットで日本が議長国としてこの問題を提唱し、最終的な共同声明にも明記されることを期待するとした。また、広島サミットに向けて中国に警告を送るための調整メカニズムが必要だとも語った。
セーフガード・ディフェンダーズは昨年発表した報告書で、中国の複数の地方政府が世界各地に「警察署」を非公式に設置し、反体制派の監視や追跡、本国に強制帰国させる活動の拠点にしていると指摘した。「中央統一戦線工作部」とも関連し30カ国に存在するという。日本には東京、福岡、名古屋などにあるとされる。
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