[ハノイ 14日 ロイター] – ベトナム中央銀行は14日、流動性拡大と景気支援に向けて複数の政策金利を引き下げると発表した。米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を受けて各国に動揺が広がる中、予想外の決定となった。
ベトナム中銀の利下げは2020年10月以来。22年10月の前回会合までの利上げ路線を転換した格好だ。
中銀は国内のインフレ率が抑制されつつあるとして、利下げを正当化した。1─2月の平均インフレ率は前年比4.6%と、通年目標の4.5%を上回ったが、2月単月のインフレ率は4.3%だった。
世界の主要中銀が利上げを継続する中、警戒を維持するとも表明。SVB破綻を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で示すシグナルを注視するとした。
中銀は再割引金利、翌日物電子銀行間金利などを15日から1%ポイント引き下げる。
格付け会社フィッチは2月上旬、厳しいインフレ見通しを踏まえ、ベトナム中銀が23年に政策金利を1%ポイント引き上げると予想していた。
中銀は今回の利下げ決定について、金利の安定化と、企業および個人にとっての障害を取り除く取り組みの一環だと説明した。
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