高市大臣「政治的公平性に関するレクなかった」参院予算委、小西議員が問う

2023/03/20
更新: 2023/03/20

高市早苗経済安全保障担当相は参議院予算委員会で20日、放送法解釈をめぐる行政文書について、官僚から記載された政治的公平性に関するレク(説明)はなかったと述べ、当時の官邸が放送法解釈を歪めたとの指摘を否定した。小西洋之議員(立憲民主)の問いに答えた。

元郵政・総務官僚である小西氏は3月初旬、数十ページにわたる8年前の総務省の行政文書を委員会に提出。当時の高市総務相と同省幹部が、放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐって協議したことを問題視し、官邸の圧力で報道の自由を歪めたと追求している。

高市氏は自身に関連する行政文書4枚について、発言していない記載がある点や、文書作成日や作成者が不明であることから「信憑性に疑問を持つ」と述べた。

小西氏は文書内容について同省今川官房長官に回答を求めた。今川氏は、8年前のやりとりであり関係者の記憶はあいまいで、大臣室関係者の聞き取り調査においても回答は統一しておらず正確さを確認できていないとした。

「作成者・同席者のいずれも、この時期に放送部局から高市大臣に対して、放送法の解釈を変更するという説明を行ったという認識を示す者はいなかった」と今川氏は述べた。また、総務省が17日に発表した文書解答でも「放送法4条の解釈を変えるよう強要されたことはなかったことは確認された」とした。

いっぽう松本総務相は「上司の関与を経て、このような文書が残っているのであれば(2月13日に)放送関係の大臣レクがあった可能性が高い」と説明した。

同日、末松信介委員長は高市氏に対して、先日「私が信用できないならば質問をしないで」と発言をしたことに異例の厳重注意を行った。「閣僚が国会議員の質問する権利について、揶揄や否定をするのは大きな間違い。議会人が質問する時には、答弁する側も質問する側も『敬愛』が必要だ」と討議をいさめた。

これを受けて、高市氏はこの発言を同日の委員会で撤回すると表明した。

高市氏は18日、一連の行政文書をめぐる指摘について意見を述べている。総務省文書の内容を「捏造」と断じた理由について「国会で答弁していない事を書いてしまうと『国会軽視』の批判を受けますので、時が来たら書かせて頂きますね」と確信の理由を後日明らかにすることを示唆した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。