米国航空宇宙局(NASA)は3日、宇宙船で月を周回する試験飛行に搭乗する宇宙飛行士4人を選定した。4人は来年11月、約10日間かけて月をめぐり地球に帰還する予定だ。このミッションは有人月面探査計画「アルテミス計画」の第2弾にあたる。
選ばれたのは、米国人3人とカナダ人1人。海軍戦闘機の元パイロットのリード・ワイズマン氏が指揮官を、ビクター・グローバー氏がパイロットを務め、米技術者のクリスティーナ・コック氏とカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセン氏はミッションスペシャリストとして参加する。
ハンセン氏は、米国人以外では初となる月探査計画を目指す宇宙飛行士となる。
NASAのネルソン長官は「国際的なパートナーとともに宇宙を探索し、新しい発見を目指す」と意気込みを語った。
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)や欧州宇宙機関(ESA)も参加し、米国が主導する「アルテミス計画」は、月面に恒久的なベースキャンプを設置し、火星への有人ミッションへの道を開くことを目的とする。昨年行われた計画の第1弾「アルテミス1」は、月を周回し帰還させる無人宇宙船の月周辺飛行ミッションを成功させた。
今回の第2弾「アルテミス2」では、選ばれた4人が搭乗するオリオン宇宙船がケネディ宇宙センターから大型ロケットで打ち上げられ、10日間かけて月を周回する。2025年以降に実施予定の第3弾「アルテミス3」では、およそ50年ぶりとなる宇宙飛行士を月面に降り立たせる。
4回の宇宙飛行を経験したことのあるグローバー氏は「人類の宇宙飛行は、リレーレースのようなもの。そのバトンは世代から世代へ、クルーからクルーへと受け継がれてきた。バトンを受け継いだ私たちは、自分たちの役割を認識し、全力を尽くす」と述べた。
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