北京市で29人もの死者を出した病院火災について、建物の防災対策や消火設備の不備が被害を拡大させた可能性があることがわかった。市当局は事故の翌日に院長や施工業者代表ら関係者12人を「重大責任事故罪」で刑事拘留している。
出火した病棟は8階建てで、各階に2人部屋が16室前後あった。大紀元の取材に応じた病院元職員の話では、各階にはゲートが設けられており、脱出を難しくするようなつくりになっているという。
「院内にはどの階にも通行証がないと自由に行き来できない管理用のゲートが設置されている」「このため(入院患者など)院内にいる人は脱出が遅れたか、あるいは脱出できなかったのではないか」と語った。
中国メディア・上観新聞19日付も「脱出できる階段は1つしかなかった」と伝えた。経済誌・財新が報じた避難した患者の話では、出火後も警報が鳴らず消火装置も作動しなかったという。
犠牲になった患者の大半は入院中の高齢者で、死亡者の平均年齢は71歳。当局はこの病院火災をめぐる検閲や情報統制を行なっており、市民たちは不信を募らせている。
火災原因について、市当局は19日の会見で「改修工事中に発生した火花が可燃性の塗料に引火した可能性」を指摘し、施工業者の責任者らを拘束して原因を調査中としている。
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