アメリカ社会 親に内緒で名前や代名詞(he/she)、使用トイレを変える子供たち

学校でのジェンダーアクティビズムの実態、当事者の子を持つ親が語る

2023/05/05
更新: 2023/05/04

「名前や代名詞(he/she)を変えるだけではありませんでした。娘はどちらのトイレを使いたいか、また宿泊イベントでどちらの性の部屋に泊まりたいかまで尋ねられたのです」。

「学校職員は、私たちを欺くために、親と話す際にどの呼び方を使うかを娘に尋ねました」。

最近、EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」に、親権活動家でメンタルヘルス専門家のジャニュアリー・リトルジョン氏が出演した。「米国思想リーダー」は、エポックタイムズのシニアエディターであるヤン・エキエレックが司会を務める対談番組だ。

リトルジョン氏は、学校側が13歳の娘と面談を行い、親に知らせずに「ジェンダー・サポート・プラン」について説明したとして、2021年に娘が通うフロリダ州の学区に対して訴訟を起こした。

番組では、米国の学校で進むジェンダーアクティビズムについて議論した。

いかにして十代の脆弱な若者が感化されるのか、また、彼らはいかにして誤った診断を下され、身体に取り返しのつかない変化をもたらしうる道へと進んでしまうのか、さらに、いかに親が子供を守るかについて、番組での議論の内容を以下にそのまま紹介する。

ヤン・エキエレック氏:
ジャニュアリーさん、あなたのお嬢さんに何が起こったのか教えていただけますか。

ジャニュアリー・リトルジョン氏:
私はADHD(注意欠如・多動症)の専門家なのですが、皮肉なことに、娘はADHDと診断されました。

娘は学校に馴染むのに苦労していましたので、中学校で友達グループを見つけた時は喜びました。しかし、次第にそこが娘にとって健康的な環境ではない兆しが見え始めたのです。

2020年の春、娘が突然自身の性別に関して混乱していると私たちに伝えました。学校の友人3人がトランスジェンダーであると表明し始めた後の出来事でした。

当時は情報も不足しており、私たちは苦心しながら他のメンタルヘルス専門家から助けを得つつ、問題の原因を探っていきました。

このイデオロギーに飲み込まれた他の多くの子供たちと同様、娘も不安症などの問題を抱えていましたし、ADHDもありました。娘は才能豊かで知能指数も高いですが、ADHDによって感情的な成熟度合いは低かったのです。

私は娘の個性的な面を受け入れ、彼女が着たい服装をさせるようにしました。すると、他の多くの子供たちと同様に、名前や代名詞(he/she)の変更を望むようになりました。

メンタルヘルスの診断において「性別違和」というものがあることは知っていましたが、それはまれな現象であり、友達グループで集中して発生することはありません。彼女が家に帰ってきてこれらのことを言った時、「統計的にありえない」と思っていました。

数週間後、学校から帰ってきた娘から車中で、「ママ、今日は学校の職員さんとミーティングがあって、どちらのトイレを使いたいか尋ねられたの」と言われて驚きました。

ADHDであることから、娘は504プランの対象者であり、私はそのミーティングに常に参加してきました。法律上、親の署名なく未成年者の彼女に504プランを実施することはできないことも知っています。

エキレック氏:
504プランとははなんでしょうか?

リトルジョン氏:
障害を持つ子供たちは、アメリカ障害者法(ADA)の下で504プランによる配慮を受けることができます。快適な学校生活を送るために娘がどのような配慮を受けられるかは、それによって決められていました。

私は知っているカウンセラーに、「娘が私の知らない会議に出席し、どのトイレを使用するか尋ねられたことを非常に心配しています」とすぐに電子メールを送りました。

私はカウンセラーや副校長から呼び出され、「差別禁止法」に基づき、娘は今後親である私から保護されることになったと告げられました。13歳の子供との面談で何が話し合われたかについて、彼らは私に何の情報も与えることができなかったのです。

唯一の手段は学校区教育長の補佐と話をすることだと彼らに言われたので、私はすぐにそうしました。学期の初めにこの問題が起こりましたが、10月末までミーテイングは実現しませんでした。

ミーティングでは、彼らが私たちに通知することも同意を求めることもなく、娘との間に非公開でトランスジェンダーや「ジェンダー・ノングコンフォーミング・サポートプラン」を完成させたことが示されました。学校カウンセラーと副校長、私が会ったことのない社会福祉士によってそれらが行われていたのです。

13歳の子供と3人の大人が一つの部屋に入れられて、私の親権が尊重されるかどうか、夫と私がこのミーティングに参加することができるかどうかの判断が、娘1人に委ねられたのです。

名前や代名詞(he/she)を変えるだけではありませんでした。娘はどちらのトイレを使いたいか、また宿泊イベントでどの性別の部屋に泊まりたいかまで尋ねられたのです。

さらに悪質なのは、彼らが私たちを欺くべく、「ご両親と話す場合にはどの呼び方を使いますか?出生時の名前や代名詞を使用しますか?」と娘に尋ねたことです。

社会的な性転換は医療的な性転換への最初のステップです。「ジェンダー・アファーミング・ケア(性自認を尊重するケア)」が何であるかを知れば、親は「学校はなんてことをしているんだ」と驚愕します。

彼らは子供達に実験的な思春期ブロッカーやホルモン療法を与えているのです。子供達は最終的に不妊症になります。

これは中立的な介入ではありません。しかも、彼らはこれらの子供たちを称賛しています。

エキレック氏:
小児ジェンダークリニックに通う子供が爆発的に増えています。

リトルジョン氏:
メンタルヘルスの問題を無視しているのは、恐ろしいことです。性別に戸惑って苦しんでいる子供や大人は同情されるべきですが、エビデンスに基づく倫理的な治療を受ける権利もあります。

私たちが見てきたのは、アクティビズム(社会的・政治的変化をもたらすために特定の思想に基づいて意図的な行動をすること)が学校だけでなく心理学や医学の世界にまで浸透しているということです。

第二次性徴が始まったぐらいの9歳か10歳の子供が思春期ブロッカーの服用を開始するというのは、今までなかったことです。「一時停止ボタン」と呼ばれていますが、それは嘘です。思春期ブロッカーを服用しても後戻りできるというのも嘘です。

子供の感情に基づいて、彼らの脳が完全に発達する前に体を変えようとしています。メンタルヘルスの診断によってそれを標準化し、医療手段で治療しているのです。

肉体的に何をしようとも、性別を変えることはできません。DNAは変わりません。これは決して勝てない戦争です。生物学的な真実からは逃れられないのです。

エキレック氏:
先ほどあなたは、性同一性障害が学校の女子生徒のグループに集中するのは統計的にありえないとおっしゃいました。ということはつまり、社会的な要因によってこのようなことが蔓延しているとお考えのようですね。

リトルジョン氏:
トランスジェンダー・アイデンティティーが標準化してきています。

繰り返しますが、私は苦しんでいる人々に寄り添うべきだと強く信じています。しかし、メンタルヘルスの問題を標準化すると、学校制度にイデオロギーを持ち込むことになります。

彼らは、子供たちの間に以前はなかった混乱を生み出しており、間違っていて悪質です。

そして「トランスジェンダー」という言葉は、もはや一貫した意味を持っておらず、使う人の望む意味にしかなりえません。

重大な医療処置が、科学ではなく感情に基づいて、子どもや青少年の体に施されているのです。

エキレック氏:
親はどうやって危険性に気づけば良いのでしょうか?

リトルジョン氏:
これらの子供たちの多くは、スマートフォンやインターネットを長時間使用しています。YouTubeやTikTokにはトランス系のインフルエンサーがたくさんいます。子供がどんなものを見ているか、親の監視が重要です。

16歳以下の子供がスマートフォンを持つことに賛成しませんが、いずれにせよ、親は子供を守ることが最優先です。自分の子供たちが何に触れているか知っておく必要があります。若いうちからスマートフォンを持ったら大変なことになりかねません。

他にも、気分の急激な変化があったり、引っ込み思案になったり、突然外見を変えたがったら警告サインです。プロパガンダに関連するペンや旗を持っていたり、学校で何かのクラブに入っているかもしれません。

子どもを叱らないでください。冷静に質問を投げてみましょう。

関係を見直してみてください。子どもが考えを改めるかどうかは親子関係の強さで決まります。情報収集もしてください。

エキレック氏:
不躾な質問で恐縮ですが、お嬢さんやご家族はいかがお過ごしでしょうか?

リトルジョン氏:
お聞きくださりありがとうございます。今私は娘のプライバシーを必死に守ることにしています。学校が娘に与えたような状況に、どんな子供も陥るべきではありません。

数年経って、娘は自分を大切にすることができましたが、これ以上言うことはありません。これは娘の物語ですから、いつか娘が自分の選択で語ることです。

エキレック氏:
現代の親にどんなメッセージを伝えますか?

リトルジョン氏:
親は親権を守るために戦う必要があります。学校で何が起こっているかを知る必要があり、学校システムからジェンダーイデオロギーを撲滅する必要があります。私たちの社会と学校に定着しているこの非科学的な考え方を取り除かなければなりません。

エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。
教育者、作家。米ノースカロライナ州アシュビルで20年間、ホームスクーリングの生徒たちに歴史、文学、ラテン語を教えた経歴を持つほか、4冊の小説・ノンフィクションを執筆。
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