インドのモディ首相が担当するラジオ番組が第100回放送を迎え、鈴木浩駐インド日本大使は故・安倍晋三元首相の言葉を引用し祝辞を送った。モディ氏は「私の友人、安倍晋三氏を思い出します。親切な言葉をありがとうございます」と返答した。
モディ氏のラジオ番組「マン・キ・バート」は2014年に開始。国民向けに政策や理念を語る。放送エピソードをまとめた書籍を2017年に発刊しており、寄贈を受けた安倍氏は祝辞を送っていた。
安倍氏は次のようにしたためている。「首相としての困難な仕事をこなしながら、毎月1時間のラジオ番組で話すことは並ならぬ努力が必要です。人々との対話への強い情熱を感じずにはいられません」「アジアの二大民主主義国家である日本とインドは、インド太平洋地域の平和と繁栄を率いるという特別な使命を負っています」
鈴木氏は3日、「マン・キ・バートの100回目の放送、おめでとうございます。番組は故安倍晋三首相の言葉にあるように、対話への強い情熱を反映しています」とツイートした。また、モディ氏が第89回の放送で、アジア諸国でインド舞踊を上演する日本のアーティストたちの存在に触れ、日印の文化交流について語られたことにも感謝を伝えた。
鈴木氏は官房長官ならびに総理大臣時代に秘書官として安倍氏を支えた外交官。外務審議官(経済担当)を経て2022年インド兼ブータン大使に就任した。
安倍氏の打ち立てた「自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)」は、岸田政権後も政策理念として語られている。岸田氏は3月のインド訪問時、現地シンクタンクでFOIPに基づく政策スピーチを行なった。岸田氏は歴史的な転換期にある国際社会のなかで、FOIPの中核的な理念は従来以上に重要となると強調した。
モディ氏との首脳会談では、昨年9月の日印2プラス2の開催以降初となる戦闘機共同訓練をはじめとする安全保障分野の協力を歓迎し、日印の旗艦プロジェクトであるムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道事業の推進を確認した。
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