(※タイトルにある「トロイの木馬」とは、通常はIT用語として使われ、有益・無害なプログラムを装って侵入し、さまざまな攻撃を行うソフトウェアのことを指す)
modRNA:病気そのものより悪いかもしれない「トロイの木馬」
modRNAはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードしているが、その目的は、私たちの免疫システムが即座に破壊してしまうウイルスRNAの再現などではなく、ヒトのmRNA構造への適応だった。
この偽のmRNA、つまりmodRNAには、次の3つの問題がある。
1. スパイクタンパク質の作成中にエラーが増加する可能性がある
注目すべきことに、天然のウリジンを置き換える「合成メチルシュードウリジン」は、4,000ヌクレオチドごとに1つのエラー、つまり合成された「ワクチン」分子ごとに1つのエラーという転写エラー率を増加させることが報告されている。
2. バッチによって有効成分に大きなばらつきがある
もう一つの懸念事項は、有効成分の「許容レベル」が異常に広いことだ。 欧州医薬品庁の評価報告書に示されているように、modRNA濃度は0.37mg/mlから0.63 mg/ml の範囲だ。このような変動の度合いは医薬品としては非常に珍しい。
さらに、このワクチンでは、完全な配列を持つ完全な分子として存在するmodRNAは、最低50%だけでいい。つまり、異なるバッチに存在する有効成分に、最大3.4倍の変動が存在するかもしれないということだ。
コミナティ(ビオンテック/ファイザー)の1回の投与量は30マイクログラムの活性物質を含む0.3mlに相当するため、1回の注射で約13兆個のmodRNA分子が体内に送られる。
そして、3つ目の問題はさらに重大だ。
3. このmodRNA はヒトゲノムに組み込まれる可能性がある
新型コロナワクチンのmRNAは、ヒトのDNAが存在する細胞核には入らないとされている。とりわけ政治の場において、新型コロナワクチンには逆転写酵素が含まれていないため、mRNAのDNAへの逆転写とそれに続く核への輸送および宿主ゲノムへの組み込みは完全に妨げられると主張された。
しかし、2つの論文結果はこれを覆している。
総合科学学術雑誌「米国科学アカデミー紀要」が発表したある研究で、研究者のリグオ・チャン氏らが、逆転写酵素が存在しない下でSARS-CoV-2のRNAゲノムをヒト胎児腎臓(HEK293T)細胞に追加したところ、培養細胞がウイルスのRNAをDNAに逆転写し、このDNAを細胞のゲノムに組み込むことを観察した。
この研究の著者らは、内因性逆転写酵素として作用するLINE1によって媒介されるメカニズムを示唆した。 LINE1 はヒトゲノムの約17%を占めるため、投与されたmodRNAの逆転写が可能となる可能性は非常に高くなる。
分子生物学の専門ジャーナルに掲載されたある研究では、研究者のマルクス・アルデンらはファイザー/ビオンテックの新型コロナRNAワクチン(BNT162b2)をヒト肝臓(Huh7)細胞に添加し、わずか6時間でDNAへの逆転写を観察した。
BNT162b2に特有のDNA配列が培養細胞のゲノム内に示され、逆転写されたmodRNAがDNAに組み込まれることが確認された。
さらに、LINE1の核分布の増加が観察されており、LINE1 を介した組み込みのメカニズムが裏付けられている。
重要なことに、精子には高レベルのLINE1が含まれていることが知られている。
先ほどの発見は培養細胞での研究に基づいているが、ヒトゲノムに挿入されることはある。これは進化によってすでに印象的に証明されている事実だ。ヒトゲノムの最大8%は、先祖ではなくレトロウイルスに由来していることが知られている。
上の画像で示したように、一本鎖RNAウイルスであるSARS-CoV-2についても、LINE1によってその後のゲノム組み込みを伴う逆転写が起こりうる。
modRNAと秘密の副産物
ファイザー/ビオンテックとモデルナのいわゆる「RNAベースのワクチン」には、有効成分のmodRNAに加えて DNA不純物が含まれている。
欧州医薬品庁の評価報告書には次のように記載されている。
「BNT162b2(ファイザーワクチン)の有効成分は、形質転換された大腸菌細胞からのプラスミドDNAを介して生成される線形DNAテンプレートを使用したin vitro転写によって製造される」。
最近の研究で、研究者らは、ファイザー/ビオンテックとモデルナの両方の注射薬におけるDNA汚染が、平均9.1 ng/μlの平均DNA濃度に対して33.4 ng/μlのRNA濃度であることを示した。
つまり、分析されたバイアル内の核酸の約4分の1(9.1 / 33.4 x 100 = 27.3%)がDNA不純物に起因する可能性があるということだ。残りの4分の3は、有効成分であるmodRNAが占める。
プラスミドは、それ自体で複製できる環状DNA分子だ。 線形DNAではこれは当てはまらないと考えられる。
modRNAのin vitro転写における環状の複製可能なプラスミドDNAと線形DNAテンプレートの比率はまだ不明だが、欧州医薬品庁に指定されているDNA濃度330ng/mgの制限を数桁超えている。
これは、いわゆる「RNAベースのワクチン」のショットごとに数十億のDNA分子が移入されることも意味する。
以上のことから、次の2つの結果が考えられる。
- プラスミドは通常、抗生物質耐性をコードする配列を含む。これは、スパイクタンパク質をコードする配列を含まない他の細菌の繁殖を避けるための産生プロセスに不可欠だ。この場合、カナマイシン(抗生物質の一種)が他の細菌と交換される可能性があり、多剤耐性菌が発生するリスクが高まる。
- DNA不純物は接種者の細胞のゲノムに取り込まれる可能性があり、その結果、異常な遺伝子発現につながる突然変異を引き起こす可能性がある。LINE1による逆転写だけが、スパイクタンパク質をコードする配列をゲノムに組み込むためのステップとなるのではない。modRNAをDNAに逆転写し、その後ゲノムを組み込むのは長い道のりだ。しかし、追加の近道が存在する可能性がある。それは、DNA汚染物質を直接組み込むことだ。 両方の配列 (RNAとDNA) がスパイクタンパク質をコードする。
最後に、in vitro転写のプロセスでは、生成物関連不純物として切断されたRNA種も生成され、不完全なスパイクタンパク質が合成される。
まとめ
投与される新型コロナのmRNAワクチンは、寿命と翻訳効果が最適化されたmodRNAであり、mRNAの性質と相反している。
modRNAは、完全に健康な細胞にウイルスタンパク質の生成を強制し、これらの細胞を味方から敵に変える。 したがって、RNAベースの注射薬はワクチンではなく、遺伝子操作だ。
このことは、「強力な次世代ワクチン」という政治的言説に対して、確実に疑問を投げかける。
潜在的な悪影響が理解されたとはまだ言えないが、多くの悪影響はすでに明らかになってきており、RNAベースのワクチン技術を大量に適用することの費用便益比は明らかにマイナス側にシフトしている。
謝辞
テュービンゲン大学のアンドレアス・シュネフ氏の貴重なサポートと議論に感謝します。
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