米、キューバにおける中国進出を「阻止するために努力」= 国務省

2023/06/22
更新: 2023/06/22

国務省のパテル副報道官は21日の会見で、米国はキューバでの存在感を高めようとする中国共産党の継続的な試みを「阻止するために努力している」と、エポックタイムズに語った。

パテル氏は「米国は中国が世界中で軍事的あるいは安全保障上の存在感を拡大しようとするあらゆる試みを監視し、それに対応している」強調。また外交などを通じ中国の取り組みを鈍らせているし、今後も警戒を強めていくと付け加えた。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の従業員が、キューバにある情報収集のための中国スパイ施設に出入りしていると報じた。

また、ブリンケン米国務長官と習近平国家主席の会談が行われた翌日の20日には、中国とキューバが共同軍事訓練施設の建設に向けた交渉を行なっていると報じた。中国共産党が現地に軍を常駐させ、情報収集などスパイ活動を強化させる恐れがあると伝えている。

こうした中国の活動について、カルロス・ギメネス下院議員は両国の狙いは「米国を弱体化させる」ことだと指摘する。ギメネス議員は「キューバと中国は敵対的国家であり、米国の利益を損なうためなら何でもする」とエポックタイムズの取材に答えた。

2015年11月10日、キューバのハバナ港に係留された中国軍艦 (Yamil Lage/AFP via Getty Images)

ブリンケン米国務長官も英国での記者会見で、中国訪問時に習氏らと会談した際に「キューバにおける中国の情報活動や軍事活動を深く懸念する」と明確に伝えたと述べた。また「米国は極めて注意深く監視しており、このことは明確にしている。我々は祖国を守り、利益を守る」と語った。

ホワイトハウスによれば、中国は遅くとも2019年からキューバに情報収集施設を置いている。しかし、当初はキューバに中国の監視基地を設置するという報道は「正確ではない」と否定していた。

エポックタイムズに寄稿しているグラント・ニューシャム元海兵隊大佐は、こうした情報収集施設などの建設は「中国が目的を持っていることを示すもうひとつのサイン」だと指摘。それは「攻撃計画」だとし「彼らはそれを実行に移そうとしている」と危機感をあらわにした。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。