米国防総省発言の真偽は? 中国スパイ気球は何を収集していたのか

2023/07/02
更新: 2023/07/02

国防総省は29日、2月に米軍の機密施設上空を飛行した中国のスパイ気球は、カロライナ州沖で撃墜されるまで、いかなる情報も収集・送信していなかったと記者団に明らかにした。

同日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によると、中国共産党のスパイ気球には市販の米国製機器が搭載されており、中国の特殊なセンサーや他の装置と組み合わされていた。写真やビデオの撮影、その他の情報収集が可能だったという。

調査結果は、この気球が中国共産党が主張する気象観測用の気球ではなく、スパイ活動のために使用されたことを示唆している。

気球は「情報収集能力」を持っていたが、国防総省は「米国を通過中、あるいは米国上空を飛行中は情報収集していなかった」と判断したと、国防総省のパット・ライダー報道官は述べた。

国防当局者が以前、気球が機密情報を収集する能力を制限するための対策を講じたと述べ、「我々が行った努力は確かに貢献した」とライダー氏は語った。

米政権はこの気球を、40か国以上を対象とする中国の膨大な監視プログラムの一部と評価している。政府関係者によると、気球はバス3台分ほどの大きさがあるという。通信を傍受できるアンテナとソーラーパネルがあり、「複数の能動的情報収集検閲装置を作動させる」ことができると、国務省は以前エポックタイムズ紙に語った。

トランプ前政権で国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めたデイビッド・スティルウェル氏は、「これをきっかけに、米国企業が機密技術やあらゆる技術を中国に輸出することについて、よく考えるよう期待する」とエポックタイムズの姉妹紙、NTDに語った。

同氏は「中国とビジネスすることのマイナス面、特にハイテク分野でのマイナス面が現れ始めている 」と考えている。

「我々は今、中国が我々に対して100%敵対的になっていることを理解している」「我々が彼らと共有するものは何でも、風船で見たように、最終的には我々に対して使われる可能性がある」とスティルウェル氏は指摘した。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。