パンデミックで奪われた市民の権利について ケネディ・ジュニア氏が語る(上)

2023/07/12
更新: 2023/07/14

今年3月、EPOCH TVのインタビュー番組「米国思想リーダー」にロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が出演し、規制当局と製薬業界との根深い癒着の実態について語った。(日本語版の公開は5/5)

NPO団体「Children’s Health Defense」の創設者兼法律顧問であるケネディ・ジュニア氏は、小児用の予防接種のうちプラセボ対照群との比較試験が行われたワクチンは一つもないと指摘している。

また同氏によると、新型コロナのパンデミックを口実に、言論の自由や集会の自由など多くの市民の権利が奪われたという。さらには、暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の逸話を振り返りながら、民主主義が直面する危機について議論した。

以下に番組内のインタビュー全文を掲載する。

ヤン・エキレック(司会):
ロバート・F・ケネディ・ジュニアさん、番組にご出演いただきありがとうございます。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
こちらこそ、光栄です。

ヤン・エキレック:
私は貴方のオーディオブック『The Real Anthony Fauci』を聴き始めました。27時間にも及ぶ、なかなかの長編ですね。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
長くてすみません。

ヤン・エキレック:
これにはファウチ博士だけでなく、バイオ医薬品をめぐる産業複合体の発展と、その全体像についても書かれています。副題は、「民主主義と公衆衛生に対する世界的な戦争」です。この壮大な本を書いたきっかけは何だったのでしょうか。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
私は非常にユニークな経歴を持っています。環境保護活動家として40年近くを過ごしたので、「規制の虜」を見てきたからです。これは、規制当局が本来規制すべき業界に取り込まれてしまう仕組みで、陰謀による産物です。この問題について、私は見聞を広げ、執筆活動や訴訟を行ってきました。

つまり、公衆衛生や財務の健全性、環境保護などを監督・規制するはずの政府機関が、業界の操り人形になってしまう事です。

私は2005年に、ワクチンをめぐる訴訟を起こしましたが、公衆衛生当局が深刻な「規制の虜」に陥っているだけでなく、他の機関では前例がないほど、金銭的に癒着している事を知って唖然としました。業界は「ステロイド剤」で当局を言いなりにしているのです。

例えば、米食品医薬品局(FDA)は、医薬品承認予算の75%を製薬業界から得ています。これは総予算の45%近くに相当します。米国立衛生研究所(NIH)も同じです。NIHの科学者たちは、薬の特許を申請し、それを譲渡した製薬会社からロイヤルティを徴収できます。過去10年間に、科学者たちがロイヤルティで得た収入は3億ドルに上ります。

つまり、規制する立場にいる科学者たちが、規制対象となる製品でお金を稼いでいるのです。厳しく規制するべき製品の売上げが、彼らの住宅ローンや子供たちの学費、老後の貯蓄に当てられています。ですから、製品の問題を見つけるよりも、その流通を拡大しようとする方にインセンティブが働きます。つまり、規制対象である製薬会社の商業的野心に、当局が呑み込まれてしまうのです。

例えば、米国疾病管理予防センター(CDC)の年間予算は120億ドルです。そのうちの50億ドル近くは、大手ワクチン会社からのワクチン購入費で、馴れ合いの談合です。そして、彼らは多くの人々に、特に子供たちに対して、ワクチン接種を強制しています。CDCは実質的に、7400万人の子どもたちに対して、ワクチン接種を強制できる権限を持っています。接種しなければ、子供たちは通学や様々な活動をする権利が制限されてしまうからです。

CDCの評価基準からみれば、ワクチンに問題があると指摘する人は、昇進や昇給は望めないでしょう。代わりに、ワクチンの普及に貢献した人はそれが得られます。ですから、公衆衛生を守るはずの規制当局に、邪なインセンティブを与えているのです。公衆衛生を守るための規制機関が、業界の手先になってしまうのです。アンソニー・ファウチは、まさにこの制度的な、そして体系的な腐敗を体現しています。

例えば、FDAにはフランキー・ケルシーという有名な科学者がいました。彼女は、欧州の子どもたちに壊滅的な被害を与えた「サリドマイド」が米国に流入するのを阻止しました。NIHのバーニス・エディは、9800万本のポリオワクチンにSV40という発がん性ウイルスが含まれていることを発見し、警告しようとしました。ジョン・アンソニー・モリスも、インフルエンザワクチンが逆効果であることを指摘しました。このワクチンを接種すると、インフルエンザ関連の感染症や、その他の呼吸器感染症にかかりやすくなったり、神経障害を引き起こしている事に気づいたのです。

しかし、ワクチンの問題を指摘した彼らは勲章を与えられるどころか、処罰されました。彼らのキャリアは断たれたのです。ですから、NIHなどの規制当局で出世したければ、製薬業界の手先になることです。アンソニー・ファウチが50年も安泰だったのは、彼が公衆衛生を守るために、よい働きをしたからではありません。製薬業界の利益を守ることに長けていたからです。

彼が在職した50年間の公衆衛生を見て下さい。彼の就任当時、慢性疾患を持つ米国人は約6%でした。慢性疾患とは、肥満だけではなく、神経疾患やアレルギー、自己免疫疾患などを指します。ファウチが就任したのは1968年です。1986年までに、米国の子供たちの11.8%が慢性疾患を抱えるようになったのです。

そして2006年には64%に上昇しました。これが彼の実績です。彼は感染症から米国人を守っていると主張していますが、感染症よりも遥かに壊滅的な慢性疾患については語ろうとしません

いいですか。私が子供の頃の定期接種は3種類で、私も受けました。一方、今日のワクチンは16種類で、72回の接種が義務化されています。問題は「それによって米国人は健康になったのか」ということです。2000年、CDCはジョンズ・ホプキンス大学と共同で研究を行いました。筆頭執筆者はガイヤーという人物です。

実は、1900年から現在までの間に、感染症による死亡率が70〜80%減少しています。しかし、CDCがワクチンと感染症による死亡率の減少に関連性があるのかを研究で調査したところ、ほとんど関係ないことが分かりました

死亡率減少の理由は医師や科学者が行なったことにあるわけではなく、その他の要因に負う所が大きかったのです。衛生環境や栄養状態の改善、インフラの整備によって、柑橘類などの食料が北部に流通したこと、下水処理場の改善、水の塩素消毒などの様々な要因によって、感染症による死亡率が低下したのです。

だからといって、ワクチンに感染症抑制の効果がないわけではありません。麻疹ワクチンは、少なくとも子どもの頃は感染を防ぎます。しかし、それで人は健康になるわけでもなく、健康で長生きできるわけでもありません。この疑問に対して、アンソニー・ファウチは答えていません。ワクチンで寿命が延びる可能性は低いという証拠はたくさんあります。実際、ワクチンは人生を縮め、実りの少ないものにし、不健康な身体にする可能性が高いのです

ヤン・エキレック:
あなたが仰った事は、一般的に言われている事とは、真向から対立するものですね。一般的に、ワクチンは年間200万~300万人の命を救っていると言われているからです。そして、新しい遺伝子ワクチンが登場しました。これについては、どうお考えでしょうか。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
まず、最初の質問にお答えします。ワクチンが多くの命を救ったという主張がたくさんありますが、それを裏付ける科学的根拠は非常に少ないですよ。例を挙げましょう。ワクチンは、認可前の安全性テストが免除されています。つまり、認可される前に、様々な種類の機能試験も、プラセボを対照とした試験も行われていません。ワクチンに対する規制は、他の医薬品とは違うからです。

これは、CDCの前身である公衆衛生局と関係があります。米国の公衆衛生局は軍事組織で、5つの軍事サービスの1つです。公衆衛生局はもともと、生物戦に対する国家安全保障上の防衛策として、ワクチンプログラムを立ち上げたのです。

ロシアが炭疽菌や病原菌などの、生物兵器で米国を攻撃した場合、規制の制約を受けずに、ワクチンを迅速に製造し、2億人の米国市民に手配できるようにしたかったのです。当初、彼らは「これを薬と呼ぶなら、プラセボ対照試験を行わなければならないし、それには5年かかるだろう」と話していました。

なぜ5年もかかるのでしょうか?なぜなら、ワクチンによる傷害の多くは、他の医薬品と同様に長期的なものだからです。ワクチンで感染を防いだと言うかもしれませんが、5年後に発症するガンや神経障害、ADHD、自己免疫疾患は考慮されていません。ですから、長期的な研究が必要なのです。

しかし、緊急手配の必要性があったので、彼らはそれをやりたくありませんでした。ですから、彼らはそれを薬と呼ぶ代わりに、“生物学的製剤”と名付け、長期的な安全性試験を免除させました。現在、子どもに義務付けられている72回分のワクチンですが、本当のプラセボ群に対する安全性試験が認可前に行われたことはありません

私は何年も前から、それを指摘してきました。しかし、アンソニー・ファウチは、私がワクチンの誤情報を広めていると言ってきたのです。そこで私は、弁護士のアーロン・シリと共に彼らを訴えました。この訴訟は1年間も妨害されましたが、私たちは「あらゆるワクチンのうちのプラセボ対照試験を1つ提示してください」と言いました。訴訟妨害や我々に対する誹謗中傷が1年続いた後、彼らはそれがないことを裁判所で認め、書面にしたためました。その文書は、現在CHDのウェブサイトで公開されています。

私が心配している例を挙げましょう。長年、ビル・ゲイツと世界保健機関(WHO)は、子どもたちに対するDTPワクチン、つまりジフテリア、破傷風、百日咳を予防するワクチン接種を推進してきました。これが世界で最も普及しているワクチンになったのは、ビル・ゲイツの努力によるものです。2016年、彼はデンマーク政府に対してワクチンの購入を勧めました。

ちなみに、このワクチンは、1980年代に多くの子どもが死亡したので米国では撤回されました。UCLAで行われたNIHの研究によると、脳障害を引き起こしていたそうです。ですから米国ではこのワクチンを廃止し、弱毒化されたDTaPワクチンに変えました。これはより安全ですが効果は劣ります。欧州でも同様の措置が取られました。

世界中の白人の子どもたちには基本的に禁止されていたのに、ビル・ゲイツとWHOは、アフリカやアジアの子どもたちにこのワクチンを投与していました。デンマーク政府は、それを知っていたので、「これが実際に命を救っているという研究結果を見せて下さい」と言いました。ビル・ゲイツはそれができませんでした。

その後、デンマーク政府は独自にその研究を行うことにしました。デンマークは、西アフリカに非常に優れたクリニックを広範囲に有しており、30年分のワクチン接種の記録があったのです。アフリカのワクチンプログラムの神様と言われるピーター・エイビーや、シグリッド・モーガン・センターなど、世界最高のワクチン接種推進派の科学者を集め、30年分の記録を調査しました。

その結果、ワクチン接種を受けた女児は、受けていない女児に比べて、死亡率が10倍高いことが分かりました。彼らは、ワクチンが予防対象としている病気で死んでいたわけではありません。対象となるジフテリア、破傷風、百日咳の病原体に対しては、予防の兆しが有りました。しかし、彼らは貧血や住血吸虫症、マラリア、赤痢のほか、肺炎などの呼吸器系の問題で亡くなっていたのです。それまで誰も点と点を結んでいませんでした。

デンマークの科学者たちがやってきて、30年間のデータを見て初めて気づいたのです。このワクチンは、導入前にジフテリア、破傷風、百日咳で亡くなった人より多くの人を殺していました。

まさにこれが危険なのです。30年〜40年もワクチン接種を実施していながら、子供たちの健康状態が悪化していることに誰も気づかないのです。プラセボ対照試験を行っていないからです。これは非常に大きな問題ですが、すでに蔓延してしまっています。ワクチン学の全分野でプラセボ対照試験が行われていないのです。

ヤン・エキレック:
プラセボ対照試験のような明白なテストが行われないなんて、信じがたいですね。どのワクチンの添付文書にも安全性に関する説明書きがあるし、ワクチン開発には10年かかると聞いたことがあります。ジョセフ・ラダポ医師の著書によれば、医学生はワクチンが奇跡の薬であるかのように教わるそうです。新型コロナのパンデミックが起こり、ワクチンの問題が注目されるようになりましたが、あなたはずっと前からこの問題を重視してきましたね。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
医学生はごく簡単にしかワクチンについて教わりません。メリル・ナス博士によると、医学部ではワクチンについて1時間弱の授業があり、その内容は、ワクチンの投与方法や投与のタイミングに関するものだったそうです。ワクチン傷害や、その認識方法、ワクチン傷害を報告する必要性については全く教わらないそうです。

例えば、麻疹、オタフクかぜ、風疹を予防するMMRワクチンの添付文書には、60〜70例の副作用が記載されています。私は、ある訴訟案件のために、出生から18歳までの子どもたちに“推奨されている”、つまり義務付けられている、全てのワクチンの添付文書を調べました。そこには死亡や麻痺、脳障害を含む420例の副作用が書かれています。今では自閉症さえも記載されています。そこだけは、ワクチン・メーカーも真実を語っているのです。

1986年に制定されたワクチン法によって、ワクチン・メーカーを過失で訴えることはできません。どんな傷害を負っても、どんなに卑劣な行為や怠慢があっても、メーカーを訴えられないのです。唯一訴えられるのは、メーカーが傷害を知りながら、それを添付文書に記載しなかった場合だけです。ですからメーカーの添付文書には真実が書かれているのです。

ところで、ワクチンメーカーは、“すべて添付文書に記載した通りだ”と言うのですが、それは事実ではありません。FDAがワクチンと傷害に関連ありと認めない限り、メーカーの添付文書にその副作用について記載できないと連邦法で定められています。ですから、ワクチンを投与される前に、医師からその副作用について説明されることはほとんどありません。

医師は基本的に、“ワクチンは奇跡だ”と聞かされています。ワクチンが何百万、何千万、何億人もの命を救ってきたと言われていますが、根拠はありません。それを裏付ける科学的根拠がないのです。全てのワクチンとはいいませんが、ほとんどのワクチンについて言えば、予防効果よりも多くの傷害や死亡を引き起こしている事を示す、科学的事実や主張が多く存在しています。

エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。
大紀元報道記者。東京を拠点に活動。