浙江省民政庁は先日、今年第一四半期の火葬データを公開し、その数値は昨年に比べて72%以上増加した。関連レポートはその後削除された。
以前、中国共産党(中共)の民政部は昨年第四四半期の火葬データを公開しておらず、専門家はこれらの兆候から、中国の今回の疫病での実際の死者数が驚くべき数になると指摘している。
浙江省、第1四半期の火葬数が昨年対比72%以上急増
2023年7月13日、浙江省民政局は2023年第1四半期の統計を公表し、火葬遺体数が17万1千人に達したと明かした。昨年同期の9万9千人と比べると、72%以上増加している。
しかし記事投稿時点までに、第1四半期の民政データは浙江省民政庁公式サイトから削除され、中国最大のQ&Aサイト「知乎」の関連トピックや議論も封鎖された。 2022年第4四半期の報告では、火葬数の欄が空白になっている。
中国民政部は、3か月に1度公表する統計データで火葬遺体数を発表していた。エポックタイムズの記者が7月18日、民政部のウェブサイトを確認したところ、6月16日に発表された2023年第1四半期の民政統計では火葬遺体数の項目自体がなくなっていた。
また6月9日に公開した22年の通年の統計では、火葬遺体数のデータもなかった。
各省の2022年第4四半期または2023年第1四半期の火葬遺体数は現在公開されていない。CNN、英紙ガーディアン、日経ニュースなど多くの海外メディアは、データの非公開に疑問を呈している。
浙江省民政庁による火葬件数の 「独占」公表の裏
米国在住の時事評論家唐靖遠氏は7月18日の取材に対して、浙江省が珍しく公表した、ゼロコロナ政策を中止してから発生した「中国の膨大な死者数」の氷山の一角を明らかにしてしまったと語った。
「第一に、このデータは実際には政府が隠蔽・粉飾した後のデータである可能性が高い。第二に、浙江省はまだ感染拡大の被害が最も深刻な地域ではない。北京、広東省、鄭州、西安などの最も被害が深刻な地域では、多くの当事者や目撃者が、火葬数が平常時の数倍から数十倍であると語った」と唐氏は指摘した。
他の国が移動制限解除の教訓から学んだ以上、ワクチンを持っていると主張する政府が、なお世界でも稀に見る膨大な数の死者を出していることを受け、同氏は、「この数字の最大の役割は、死者のほとんどが天災ではなく人災によって死んだことを皆に伝えていることである。中共が曰くコロナとの闘いにおける勝利は、血の上に築かれる大嘘にすぎない」と語った。
ウォルター・リード陸軍研究所の元研究員・林暁旭氏は18日、火葬データの公開について、「最大の可能性は、昨年11月、12月、今年1月に死亡した人の数はかなり多かった。当局は昨年11月、12月にたまった死体を、1月、2月に処分しないといけない。つまり、第1四半期に焼却された死体の数は、これまでよりはるかに多かったに違いない」と分析している。
過去3年間、中共の極端な防疫・都市封鎖政策は、ウルムチ火災をはじめとする一連の人道的災害を引き起こし、最終的には閉鎖反対の「白書キャンペーン」の引き金となった。昨年12月、北京はゼロコロナ政策を放棄し、何の前触れもなく封鎖を解除した結果、全国で感染拡大はたちまち制御不能となり、病院や葬儀場が死体で溢れた。
公式発表では、2022年12月7日から2023年1月8日までのコロナによる死者数は40人未満。国際的な圧力を受け、今年1月14日、中共衛生健康委は、2022年12月8日から2023年1月12日までに全国で院内感染関連死者数5万9938人だと報告したが、この数字は疑問視されている。
データ公表後に削除 評論家「反響が大きすぎ」
浙江省が火葬データを公表した後に削除したことについて、林氏は、「前年同期比72%増えた死者数は、人々に大きな衝撃を与え、誰もが当局に過小評価された死者数がなおこれほど大幅に増加するとは思わなかった」と述べ「当局も、民間からの反発がこれほど大きいとは思わなかった、最終的にネットからデータを削除して安定化を図った」と指摘いた。
唐氏は「中共の全体主義体制では、1つの嘘の暴露が連鎖反応を引き起こし、体制を脅かす可能性がある。だからこそ、中共はそれを封じようと全力を尽くしている」と述べた。
中国本土の元メディア関係者である趙蘭健氏によると、浙江省での死亡数を基に、他の省・市での死亡確率を類推し、全国ですでに死亡した人の数を推定することができる。この統計は公表後すぐに削除されたことは、政府は真実を隠蔽し続けることを意味している。
中国本土の洪生弁護士(仮名)は本紙に対し、浙江省当局が公表した火葬の規模から見れば、流行はまだ深刻であることを反映していると述べた。
「中共が開示しているデータはどれも完全な真実ではない。時には開示しなければならないこともあり、関係者は国民が受け入れられると思っているデータを遅れて公表する。実際、国民はそれを信じていない」と同氏は指摘した。
隠蔽手段が暴露 本当の死亡データは衝撃的
中共はコロナの発生以来、共産党支配の優位性を誇示するために、実際の数字を隠蔽し、死亡率は他国より低いと主張してきた。
しかし、中共はコロナによる死亡の定義を狭めることによって、パンデミックの影響を隠し、死亡者数を過少に報告していると非難されている。
今年1月の流行のピーク、ロイター通信の記者は北京の私立病院が医師に、死亡診断書の「死因」欄にコロナによる呼吸不全を「書かないよう」求める通知書を見た。 ある医師が匿名で記者に、このような指示は「政府」から出されたものだが、どの部門から出されたものかは誰も知らなかったと語った。
また中国南部のある公立病院の医師は「南華早報」紙に、住民の死亡診断書(推定死亡診断書)の専用用紙が底をついたという。
エポックタイムズが入手した中共の内部文書は、当局がコロナによる死亡の判定に用いた手順が、意図的に死亡を隠蔽した疑わせるものであることを示している。
また、一部の文書は病院がコロナによる患者の死亡を認定する場合、中共の最上層部である国務院の承認が必要であることを示している。
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