中国河北省滄州市の大学生8人は夏期講習を開設し、受講料1人当たり600元(約1万1712円)、生徒150人を集めた。しかし、地元の教育局から直ちに授業を停止し、返金するよう命じられ、ネットワーク上で激しい議論を引き起こした。
河北省滄州粛寧県教育局は最近の通告でこのように述べた。
「7月5日に、梁村鎮で規定に違反した学習塾が開設されているとの通告があった。教育部門は直ちに地元政府と現場に出向き、事件の調査と処理にあたった。この塾は8人の大学生からなるグループで、一時的な場所を借りて不適切な講習を実施していることが分かった。合計で7クラス、150人の生徒を集めた。1人あたり600元の料金を徴収していた」
共同検査チームは当事者に夏季講習を直ちに中止し、学生を解散させ、「違法」収入を返金し、3日以内に教育部門に返金状況を報告するよう命じた。
中国金融智庫(シンクタンク)の首席金融アナリストの宏皓教授は、「一部の親は教育レベルが低く、子供に勉強を教えられない。子供たちは学習に困難を抱え、家庭教師を必要としている。そうしなければ高校や大学に入学できない」と語った。
ブログの中で、宏教授は、「教育部は、裕福な家庭ではなく、本当に学習上の困難を抱えている家庭の子供たちにも一定の支援を提供するような政策をとるべきではないか」と指摘した。
ウェブサイト「今日頭條」のユーザーは、多くの農村部出身の大学生は、大学でより良い生活を送るために、普段から家庭教師として生活費や学費を稼ぐしかない。わが国の『双減(二重削減)』政策(小中学生の宿題への負担軽減、塾の学習負担軽減を主な目的とする)によると、小中高校生は夏の個別指導に参加することができず、教師と大学生が主催する個別指導は厳罰に処される。その結果、多くの大学生が夏休みに肉体労働やホテルで働くことを余儀なくされている」と述べた。
同ブログは、「以前なら、人々はこの8人の大学生を起業家、自立の模範として見なしただろう。現在、彼らは知識をお金に換え、農村の子供たちに知識や経験を伝えることができないだけでなく、ルール違反になってしまう」と嘆いた。
ネットユーザーは、「多くの親が子供を塾に通わせたいと考えているのは成績アップのためではなく、2か月に及ぶ夏休み中、子供たちは走り回って事故に遭いやすいので、塾に通わせた方が安全だからだ」と指摘した。
ある農村部の数学教師は、「8人の大学生が夏期講習を禁止され、授業料を返金しなければならなくなった。一銭も稼げないだけでなく、家賃、教材費、人件費も負担しなければならない」と批判した。
同氏はまた、「双減は数年前から出されているが、何が本当に減らされたのか? なぜ資格を持っている指導校は、大々的に講習を開設できるのか。なぜ料金はどんどん高くなるのか?学習塾の規制をやめた方がいい」と批判した。
この事件は微博(ウェイボー)上でも議論を巻き起こした。
「大学生たちは大変だ。少し寛容になれないのか?」
「この料金設定は、良心的なものと言える。ちょっとした学費、遊びや食事のお金を稼ぐだけだ。罰則は適切だ。批判、教育、返金。しかし、問題の根本はこういう需要があるからだ。裕福な家庭の子供は個別指導校に通う、貧困な家庭の子供たちは何もないまま放置されるのか? 貧しい家庭出身の子供は出世できず、最後にはみんな肉体労働者になるのか?」
「庶民の子供たちはより庶民になるしかないんだ」
「下層階級に利益をもたらすものは全て禁止されてしまった」とネットユーザーたちは投稿している。
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