米上院は25日、中国などの敵対的国家が米国の農地を購入することを禁止する修正案を可決した。この修正案は、2024会計年度の国防権限法(NDAA)の上院版に盛り込まれる。
共和党のマイク・ラウンズ上院議員が発表した修正案は、91対7の賛成多数で可決した。同修正案は中国、ロシア、北朝鮮、そしてイランの4か国による農地や農業ビジネスの購入を禁じるほか、農務長官を対米外国投資委員会(CFIUS)の常任委員に配置する内容が盛り込まれた。
CFIUSは、外国の企業買収にあたって国家安全保障上のリスクを審査する委員会。農務長官が常任委員になることで、農業と農業生産について払うべき注意などを同委員に助言することが可能になる。
ラウンズ氏はエポックタイムズに寄せた声明の中で「この4つの敵国は、米国を最大の競争相手とみなし、わが国の能力と資源を監視し、優位に立つことだけを望んでいる」と指摘。「法案は、わが国の国土をより安全にするものだ」と強調した。
下院でも7月中旬に同様の案が可決されており、今後、上下両院で法案のすり合わせが行われ、署名を得るために大統領に送付される。
この法案は、中国共産党の脅威を念頭に、米国の各州議会が法整備に動くなかで発表された。フロリダ州やテキサス州、バージニア州など共和党が主導する州では、中国企業による不動産取得を阻止する法案などが成立し、外国資本による土地購入の規制を強化している。
CFIUS対象取引リストの拡大
バイデン政権は5月、CFIUSの国家安全保障審査対象リストを拡大し、8つの軍事施設を追加する規則案を公表した。
CFIUSは現在、外国資本による特定の空港・港湾などの不動産購入やリースを審査する権限を与えられている。規則案が施行されれば、これらの追加軍事施設から半径100マイル以内で対象となる不動産取引の審査が可能となる。
8つの軍事施設には、近辺で中国企業によるトウモロコシ製粉工場プロジェクトが計画されていたノースダコタ州のグランドフォークス空軍基地や、テキサス州のラフリン空軍基地が含まれている。
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