環境活動家らは「冬を無視」し、夏を「誇大宣伝」している

2023/08/08
更新: 2023/08/14

全米非営利擁護団体『パワー・ザ・フューチャー』の創設者兼エグゼクティブ・ディレクターであるダニエル・ターナー氏は、環境活動家たちが暑さを誇張していると主張する。そのターナー氏によれば、「現在進行中の世界各地の高温を憂慮すべきことだ」として提示するナラティブは、滑稽であるという。

今月初め、 世界気象機関(WMO)の気候サービス部長であるクリストファー・ヒューイットは、「WMOは記録的な気温を報告しており、世界は未知の領域に入った」と述べた。しかし、7月19日に行われたEpochTVの『クロスロード』のジョシュア・フィリップとのインタビューで、ターナー氏は、そのような主張は「滑稽だ」と述べた。

ターナー氏の組織は、ワシントンでアメリカのエネルギー雇用を提唱している。彼は、「ずっと昔のサハラ砂漠は海であり、世界の平均気温は現在よりも約30℃高かった」と指摘した。

「それを招いたのは人間ではなく、まさに自然の地球のサイクルだった」と彼は語った。「環境活動家たちは、150年前より現在の気温は1.2~1.8℃程度高くなったと主張している。それは、地球が誕生した数十億年を考えれば、本当に取るに足らない数字だ」

ターナー氏によれば、「地球は、過去30数年で最も涼しい6月を迎えた」という。しかし、この事実は楽しくてセクシーな話ではなかったため、ほとんどニュースにはならなかった。彼らはそれを無視した」

ターナー氏によると、米国は現在暑い7月を迎えているが、米国は北半球の一部であるため驚くべきことではない。北半球の7月と8月は本来暑いものだ。同氏は「環境活動家たちは厳しい冬を無視して、暑さだけを誇大宣伝している」と批判した。

「環境左派は夏の話、暑さの話が大好きだ。夏はセクシーで、暑さは圧迫感があり、とても不快だからだ。しかし、実際には、寒さの方がはるかに致命的で危険である」

「平均すると、4倍の人が寒さで亡くなっている。ひどい冬を経験しても、私たちはそれを気候変動のせいにはしない。地球が温暖化しているというナラティブにそぐわないため、その冬を、ただ「冬」とだけ呼んでいる。

「彼らは、ただ冬を無視しているのだ」​

ターナー氏は、「政府が推進しているお粗末な環境政策は、エネルギーコストを上昇させ、継続的な停電や停電を引き起こしているだけでなく、冬の寒さ対策が不十分なため、夏よりも冬を致命的にしている」と述べた。

「人間の精神は、寒さよりも暑さに耐えられるようになっている」と彼は語った。
 

化石燃料の恩恵、送電インフラ

主流メディアが気候変動への警鐘を続ける中、バイデン政権はCO2排出を抑制するために、特定の家電製品の使用に対して制限を設けようとしている。

最近、エネルギー省は 気候変動と戦うために、新しい住宅用給湯器の効率基準を提案した。

同省は2月、消費者向け調理器具の基準を提案し、少なくとも米国製ストーブの半数の販売を禁止するとしている。

バイデン政権は、食器洗い機やガス式ポータブル発電機に対しても、新たな効率基準を推進している。

ターナー氏は、「異常気象」などの用語は、「環境左派が、自分たちの言い分を押し付けるために好き勝手に使用し、特定し、定義し、説明しようとするあいまいな表現」の一つであると述べた。

同氏は、「化石燃料はさまざまな電化製品に電力を供給しており、そうすることによって人々は自然の中で生きていくことができているのであり、化石燃料は人類にとって恩恵である」と主張した。

「もし、人類が実際にもっと多くの化石燃料を持っていたら、人類はもっと繁栄しているだろう。冷暖房を利用できる人が増え、より多くの食料、商品、サービスがより手頃な値段で、世界中に輸送されるようになる。だから、化石燃料は地球を悪くしていない」と彼は語る。

「自然は恐ろしい。自然とは人間によって管理されていないカナダの火災のようなものだ。自然は残酷な力だ。ハリケーンも竜巻も残忍だ。しかし、化石燃料のおかげで、私たちは自然を飼いならし、繁栄できるようになった」

「1850年代に化石燃料革命が始まって以来、私たちは長く生き残ることができるようになったため、地球の人口は爆発的に増加した。それは化石燃料の恩恵であって害ではない」

公平性と環境正義を推進する計画の一環として、バイデン政権は、国民に無料でエアコンを贈り、同時にエアコンの使用に対して制限を設けようとしている。この政権の決定について問われたターナー氏は、「政府が推し進めようとする電化経済の脆弱性」を強調した。

「どうやって電力を供給しているのか?送電網を使っている。現在、米国の送電網の 65% は、化石燃料で賄われている」と彼は語った。「残りの大部分は原子力による。それにもかかわらず、現政権はこれら 2 業界を攻撃している」

「それはEVと同じだね?人々にEVを充電するようにと言いながら、それに見合う送電網が整備されていないのだから」

「この国の仕組みや経済の仕組みとどのように文明を進めるのかの間には、大きな乖離がある」

「私たちは電化経済を推進している。にもかかわらず、この電化経済を実現するための送電網が提供されておらず、真剣な政策が講じられていないのだ。この政権には無知が多すぎる。そしてこの無知は非常に致命的だ」

人口減少、エリートの偽善

ターナー氏はまた、アメリカに押し付けられている人口減少のアジェンダと、化石燃料使用に関するエリートたちの偽善に注意を喚起した。

カマラ・ハリス副大統領は最近、バイデン政権がよりきれいな空気と飲料水を提供するために、米国の人口を減らすことに投資していると発言し、怒りを買った。

「バイデン大統領と私が就任したとき、2030年までに温室効果ガス排出量を半分に削減し、2050年までに排出量実質ゼロを達成するという野心的な目標を設定した」と彼女は語った。

「クリーンエネルギーとEVに投資し、人口を削減すれば、より多くの子供たちがきれいな空気を吸い、きれいな水を飲むことができるようになる」

ホワイトハウスは後に訂正声明を発表し、「ハリス氏が『汚染』という単語の代わりに、誤って「人口」という言葉を使用した」ことを説明した。ターナー氏は、副大統領の人口削減発言を「全くの狂気」と呼んだ。

「論理的な問題は、誰が死ぬべきかということだ」とターナー氏は語った。「副大統領が人口抑制について語り、ビル・ゲイツが人口抑制と人口削減について語るとなると、正直な疑問が湧いてくる。誰が、具体的にどのような人たち、人口、どうやって削減するのか明示して欲しい」

「この話は、バイデン政権と環境左派が人口抑制政策として世界中で中絶政策を支持していることをよく説明している。それを人間嫌いと呼んでも、大げさな話ではないのだ」

気候問題担当大統領特使であるジョン・ケリーは、プライベートジェットさえ手放すつもりはないのだ。最近、下院委員会で彼のプライベートジェットについて質問された際、非常に敵意を示し、「自分は個人的にジェット機を所有していない」と述べた。もちろん、彼の妻もそうだろうが…しかし、ケリーは、すぐにジェット機を放棄するつもりはない。彼は、化石燃料の生活を手放したくないのだ。ヨットも邸宅も手放していない。

バイデンは、「CO2排出量を削減したいので、今週はデラウェアに戻らずに家にいるとか、ホワイトハウスに留まるつもりだ」とか一度も言ったことがない。毎週末ビーチで週末を過ごしたいバイデンは、複数のジェット機や列をなした車で、何百人もの人々をデラウェア州に送り込んでいる。バイデンは化石燃料経済の贅沢をいつ犠牲にするのだろうか?

ターナー氏は、「同じような一連の出来事が、新型コロナウイルス感染症パンデミックの最中にも起きていた」と指摘し、「権力者は多数の包括的なルールを設定するが、彼らの私生活はそれに縛られることも、遵守する必要もないのだ」と指摘する。

「当時の下院議長)ナンシー・ペロシは髪をセットしてもらいくつろいでいたし、(カリフォルニア州知事)ギャビン・ニューサムはフレンチランドリーに安心して行っていた。休暇で市長や知事がメキシコにいるのを見かけたものだ」とターナー氏は語った。

「そこには、ルールは小さな人々のために存在するのだという、巨大な偽善がある」

(翻訳・大室誠)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
エポックタイムズのベテラン調査記者。EPOCH TVの番組「クロスロード」で司会を務める。超限戦、非対称戦、ハイブリッド戦、破壊工作の専門家として知られており、中国共産党や破壊工作などに関する10年以上にわたる調査・研究を通して、世界が直面する脅威と政治情勢に対する独自の見識を持つ。
英語大紀元記者。担当は経済と国際。
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