中国共産党に屈しなかったリトアニア 「他国に模範を示した」=リトアニア国会議員

2023/08/10
更新: 2023/08/10

リトアニアは台湾問題で中国共産党(中共)を拒否して未曽有の弾圧を受けている。しかし数日前、リトアニアの国会議員は同国が「圧力に耐えただけでなく勝利して、他国に模範を示した」と述べた。
 
専門家らは、中共と距離を置くことが自由民主国のコンセンサスであると考えている。

リトアニア国会議員「中共の弾圧は裏目に」

リトアニアはバルト地域に位置する国で、人口は300万人に満たない。2021年には、多くの中東欧諸国の中でいち早く、中国共産党が提唱する「17+1」協力メカニズムから脱退した。同年11月、首都ヴィリニュスに「台湾」代表処の設置を許可したことは、中共側に経済報復と外交関係の格下げを含む全面的な弾圧を招いた。
 
リトアニアの国会議員マタス・マルデイキス氏が最近、ヴィリニュスでボイス・オブ・アメリカ(VOA)に述べたところによれば、北京はリトアニアへの弾圧初期において、大規模かつ迅速な制裁によってその力を誇示しようとし、この大攻勢でリトアニア政府を解体するか、譲歩させようとしたという。

しかし、その結果は予想外だった。マタス氏は、「リトアニアの経済は成長しており、中共が制裁を加えた後、輸出は1年半の間に45%増加し、中共はもしリトアニアが従わなければ、次に何が起きるかという悪い見本のようにとらえようとしたが、正反対だ」 と述べている。

「これにより他の国々もこのような例を目にした。つまり、中国に従わなければ勝てるということで、これは私たちが考えたことのない状況だ」と指摘した。
 
さらにマタス氏は「急いで北京との関係を改善しようというつもりはないが、北京が困難な状況を打破する方法を見つけざるを得ず、大使を戻す方法を模索しているようで、何も起こっていないふりをしている」と述べていた。

中共に従わず利益を得る

豪洲定住の中国専門家である李元華氏は7日、大紀元に「実は、中国共産党に屈服せず、中国共産党に従わない限り、影響を受けないだけでなく、元よりも多くの収入を得て、多くを勝ち取っている。これがリトアニアが我々に示してくれた最も直接的な例だ」 と分析した。
 
「実際、中共との取引の最も核心的な問題は、恐れずに耐えさえすれば、いかなる損失もありえず、利益しかないということを示している。これはリトアニアだけでなく、豪州も同じだ」と指摘した。
 
豪州はコロナ当初、ウイルスの起源について国際調査を促したため、中国の貿易制限の報復を受けた。
 
当時のスコット・モリソン首相は、中共の脅迫に屈したり、豪州自身の価値を放棄したりすることはないと強調した。アンソニー・アルバニージー現首相が2022年5月に就任した後、中共は多くの圧力の下で譲歩し、豪州の各貿易禁止を徐々に解除した。
 
李氏は、「中共に妥協しなければ、長期的に見れば必ず利益がある。逆に言えば、中共に従うことは逆に利益がない」 と述べた。

北京と距離を置くことが、民主国家の共通認識に

台湾のシンクタンクの副執行長・董思斉氏も、7日、大紀元に「自由民主と人権の価値は世界で普遍的に重視され、同時に国家安全の議題においても、各国は中国共産党の背後に代表される権威、経済体制と民主体制に対する侵略性に注目している」と分析した。
 
「安全保障と経済は外交上で重要な柱だと言われ、中国は経済発展のため、安全保障の議題を多く避けてきた。しかし、今ウクライナ戦争における北京の選択は、民主国家に、安全保障の問題では北京は信頼できないと思わせることになった」
 
董氏は更に重要なことは「中共が過去に誇った経済力はもはや存在せず、内部環境が悪化しており、外資は次々離れ、地方や銀行の財務状況も良くない、不動産バブルも深刻化しており、各国は中国経済に対する懸念が高まっている」と指摘した。
 
「そのため、北京と距離を置き、同時に自分の国家安全、特にハイテク分野、そしてインターネットの安全にもっと注意を払うことは、民主国家の共通認識となっている」と董氏は言う。

中共が主導する「17+1」の終結

リトアニアは中共に対抗して国際的に広範な支持を得ている。中共に弾圧された後、EUはすぐに約1億3千万ユーロの支援プログラムを承認し、中共の制約を受けたリトアニアの企業を支援した。
 
2022年8月には、ラトビアとエストニアも「16+1」メカニズムから脱退した。
 
李元華氏は、 「これは正義の支持、リトアニアは小さな国であり、EUの強力な支持もリトアニアを守っている」と述べた。
 

李氏は「中共は正常な国家ではなく、多くの国は実際に中共に怒りを感じているがはっきり言えない。しかし台湾やリトアニアのように中共に対抗する国々が現れ、皆が支持を示している。このような声はますます大きくなっており、中共自体もその変化を感じているだろう」と語った。
 
李氏は、「良識のある人はますます多くなり、中国共産党との関わりの中で、より多くの国、より多くの政治家が中国共産党を認識している。中共は偽善をしたり、個人的な利益を与えたりする。もし利益を貪らず、正常な思考で中共を見ることができれば、中共の陰謀、悪巧みが、はっきりと見える」と指摘した。
 
また「正義を貫く中で、天も中共を滅亡させるだろう」と述べた。
 

程静
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。