河北省の洪水で死者29人? 当局発表に「信用できない」と批判殺到=中国

2023/08/13
更新: 2023/08/13

河北省当局は11日、7月下旬から始まった豪雨による洪水被害について「8月10日時点での死者数は29人。行方不明者16人」と発表した。

この河北省当局による公式発表の後、ネット上では「この数字は到底信じられない」「もっと多いはずだ」「村民全員と連絡がとれない村だってあるんだ。29人のわけがないだろう」といった強烈な反発が広がっている。

だが、関連話題に対する検閲が敷かれていることもあり、当局と立場の一致しないコメントはほとんど消し去られた。残されているのは「ご冥福を祈ります」といった類の、無難なコメントのみである。

果たして本当の被災状況はどれほどのものか。実態が外部に漏れないよう中国当局が様々な情報統制や検閲をかけているため、外部がその真実を知ることはほとんど不可能だ。だが、時折ネットに上がる(後に当局の検閲によってほとんど削除されているが)被災民からの投稿を寄せ集めても、当局が公表する「死者29人」「行方不明者16人」とは程遠い。

例えば、SNSに投稿された動画のなかには、「1つの村だけで少なくとも4人が死亡した」と明かす被災民がいた。

「涿州市を取材した。ある家のドアを開けると、屋内には大量の死体が浮いていた。だが報道できない」と明かす記者もいる。

500人以上が住む村から、命からがら逃げだしたある青年は「私は村からの唯一の脱出者だ」と明かしていた。

河北省保定市淶水県湯家莊西塌村の村民「一燈」さんは、洪水で自分の家が「消えた」跡地を指さしながら、「私の家では14人がいなくなった(死亡した)。私は、自分の言ったことの法的責任を負う」と、逮捕も覚悟の上で証言する動画を投稿していた。しかし、この動画はしばらくして封殺されている。

亡くなった家族や親類が生活していた場所に向かって叩頭する、河北省保定市淶水県湯家莊西塌村の村民「一燈」さん。(下記動画よりスクリーンショット)

(「私の家では14人がいなくなった(死亡した)」と証言する河北省保定市淶水県湯家莊西塌村の村民「一燈」さん。)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。