児童のワクチン接種率の低下、食生活や生活行動の変化に気候変動などが重なり、このごろ、すでにほぼ絶滅したと思われていた「危険な病気」が欧米諸国を中心に再度流行している。
米政治専門サイト「ポリティコ」欧州版によると、このごろ復活の兆しを見せている病気のトップ5は、はしか、梅毒、痛風、ハンセン病、マラリアだ。
米フロリダ州ではハンセン病患者が急増。英ロンドンでは「はしか(麻疹・ましん)」が蔓延し、アイルランドやポルトガルでは梅毒患者が50%も増えている。
今年1月と2月の2カ月間で、欧州地区のはしか患者は約900人。この数字は、同地区の昨年の合計を上回っている。英国の衛生当局は先月、「ここ数年のワクチン接種率の低下などにより、ロンドンでは多数のはしか患者がいる」と警鐘を鳴らしている。
欧州疾病予防管理センター (ECDC) による最新の感染症調査でも、欧州連合(EU)および欧州経済領域にでは梅毒患者が増加傾向にあると指摘している。
米疾病予防管理センター(CDC)による今月の報告書のなかでも、フロリダ州でハンセン病が流行っていると警鐘を鳴らしている。
日本においても梅毒は増加傾向にある。東京都健康安全研究センターの広報用資料にも、日本国内の梅毒の感染者数について「2016~20 年は年間 1700 件前後で推移していたものの、2022 年は 48 週までの期間で、その 2 倍となる 約 3400 件の報告があり、過去最高を更新する多さとなっています」と記されている。
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